友人に薦められて購入してぶっ飛んだ映画。
佐藤慶の警官とヤクザという一人二役の演技も光る黒木和雄監督作品日本の悪霊。
高橋和巳の小説をベースに70年代という混沌とした時代に突入していく世の中を巧みに描いた映画です。
内容は文句無し。
出演している佐藤慶を始め、高橋美智子、渡辺文雄(じつは私の親戚です)等の懐の深い映画で映える演技は見事。
ストーリーのテンポも良く、肩がこりません。
そして音楽も凄いんです。
早川義夫と岡林信康が担当しており、随所で「見る前に跳べ」の頃の岡林の楽曲が流れ出す始末。
屋根の上でギターを掻きむしりながら歌う岡林。
リヤカーを引いて子供達の前で歌う岡林。(かなり軽い兄ちゃん風なやさぐれ感が堪らない)
エンディングでは原っぱで「私たちの望むものは」を歌う岡林。
当時としては長い髪、無精ひげ。
蒸発したり、戻ってきたり。
時代に翻弄され、自分自身をすり減らしながらも生きている意味を見つけようともがいた岡林信康がわが国における1970年代という時代の象徴として画面に登場するのが実に面白い。
そしてその姿がどうしようもなく色っぽく映ってしまうのはなぜなのか、本当に死ぬほど岡林信康を聴いても未だに分かりません。
そこが「神様」と呼ばれた由縁かもしれません。