週末はオクノ修『街角の唄たち DOCUMENT TAPES 1979-1981』をずっと聞いていた。
この70年代終わりから80年代にかけてのセッションは、僕と君と部屋と朝と昼と夜があって、それはそのまま歌の中に登場してくる人たちのありふれた日常だけど、どこか非日常的な、いうなれば霧の立ち込めるちょっとひんやりした木と緑に囲まれた明け方の森の中にいるみたいな匂いがして、これは本当に何度聞いても不思議な感覚だ。日常的なことを歌えば歌うほど、非日常感が増してしまうのだから。
これまで何度も何度も聞いた『オクノ修』や『胸いっぱいの夜』の弾き語りで表現された世界は、シンプルで余分なものをそぎ落とせばそぎ落とすほどに、世界が広がって行った。だけど、ここで聞かれるようなシンプルなバッキングが入ったとしても、それは変わることなく伝わるから、恐らく演奏云々では言い表せない強い力が働いているのかもしれない。いつもの少年のような声で途切れ途切れに続くオクノ修の日常には、そういう目に見えないけれど強く感じることの出来るものが確かにあって、それは唄うという行為の最も純粋な部分だったりするのかも知れない。
2/10発売 オクノ修/街角の唄たち DOCUMENT TAPES 1979-1981