確か府中の中古レコード屋でこのLPを買ったのだ。大学生の頃だ。何で購入したのかは良く憶えていない。きっと誰かに勧められたか、シュガーベイブ絡みでの購入だったのだと思うけど。ジャケットを眺めて、長髪というかロンゲで程よく色落ちしたジーパンはいて、Tシャツ姿の伊藤銀次はかっこいいと思った。夜の高速?かどこかの国道のトンネルの前で佇むちょっと変なジャケット。だけどこんな色のジーパンが欲しかった。そして、髪をまた伸ばし始めていた頃だったから、ここまで伸びるにはあとどのくらいかかるんだろうか?と思った。
そんな伸びかけの頭で、デッドリイドライブを聞いた。アルバム全体から漂うドライで洗練された世界は不思議だった。都会の喧騒から逃れていくような、早送りのビデオの画面を見ているような感覚だった。逃げていく季節を早足で追いかけて、いつの間にか梅雨になり、夏の午後の小雨の中を走り抜けているような、爽やかな空気は、今まで聞いてきた音楽とは異質だった。土の匂いよりもコンクリートの匂いの方若干が強いサウンド。でも全然無機質じゃなく、この上なく人間的な温もりを併せ持っているから不思議だった。
それ以来季節の変わり目とかに、このレコードを良く聞いた。でも何故かウォークマンとか携帯プレイヤーで聴いた記憶が無い。専ら部屋でひとりで聞いた。
2/20発売 伊藤銀次 デッドリイ・ドライブ他 待望の紙ジャケリリース
狂乱の貴公子ですね。
金髪を振り乱しながら技を受ける姿も天下一品でした。もはや芸術家です。