MR5000番台第2弾+2(プラス・ツー)。レヴュー第8回目は現在も地元名古屋で活躍するシンガー・ソングライターの江口晶が1975年にリリースしたファースト・アルバム世代感覚です。
エンピツで描かれた強烈なジャケット。一度見たら目に焼きつく。SSW?アシッドフォーク?ハードロック?プログレ?カントリー?ジャケットとアーティストとタイトルから音を想像するのはいつもいつも楽しい。そしてCDをセットして流れ出すのが、意表をついたニューオリンズ風のピアノでコロコロと転がり、こちらの期待を見事に裏切ってくれるのもまたいい。
窓、風、夢、テーブル、愛、嘘、部屋、アンタ、ラッシュアワー、ウトウト、まちぼうけ、オレンジ色の朝、アスファルト、煙草、電信柱、戸口、電車の中、明日になれば君のこと・・・。
江口晶がアルバムの中に散りばめた世界は32年前となんら変わることも無くここに居る。当たり前のことだけど居てよかった。そして僕達が住んでいる今の世の中は、32年間で大きく様変わりしてしまった。だけど、太陽が昇って沈んで、雨が降って天気の行方を気にしたり、笑ったり、怒ったり、人を好きになったり、日常でふっと感じる事は根本的には変わっていないなーと思った。そうするとすごく今の世の中が健全に見えてきたから不思議だ。
今回の再発にあたって江口さんからメールで「あの頃の江口晶と出会い直しているような気分で楽しませてもらっています」といったような内容のご連絡を頂いた。いえいえ、楽しませてもらって、今の世の中が素敵に見えたのは僕のほうです。江口さんが当時も今も思っている事と同じように僕も毎日の生活でいろいろなことを感じて眠り、起きて、毎日をすごしています。こちらこそ有難うございました。