大好評発売中のMR5000番台第2弾+2(プラス・ツー)。レヴュー第6回目は深町純/HELLO! 深町純2です。深町純の最後のボーカルアルバムで待望の初CD化作品。ジャケットの窓の部分がくりぬかれた特殊仕様となっています。
僕はよく中古レコード屋に通っていますが、このLPは今まで一度も見たことが無かった。ただ前作のある若者の肖像が余りにも素晴らしく、深町純の最後の歌モノ作品である本作は聴きたくてしょうがなかった1枚です。
憂いを帯びたファースト。モノトーンの世界からちらっと覗いたナイーヴなある若者の肖像は、みんなの歌を唄いたいという素敵な希望に満ち溢れていた。そしてセカンドでは自身の内面の世界から抜け出して、別の角度から若者の日常やあふれ出る夢を語りだしていた。それも、これ本当に35年も前の録音なの?って疑いたくなるくらい、洗練された楽曲、構成でもって。ジャジーでロックでグルーヴィー。フォークが主流でフォークのようなメッセージ性が求められていた時代に別のフォーマットで滑らかに語りだされた深町純の夢。音楽をトータルで見て、聴いて、語られる内容は手探りだった前作とは別の、自信に満ちた顔を見せている。それはセールスとは関係なく嘘のないありのままの自分を表現する事が出来たことから来る自信だったのか。
これを最後に深町純は歌うことを止めてしまった。現在まで深町純の歌モノ最新アルバムはこの1972年にリリースされた本作が最新のままだ。封印されていた世界は35年ぶりに解かれた。そして2007年にこのアルバムがリリースされたということは、やっと時代が追いついたような気がしてならない。