いよいよ明日6/8(金)発売のMR5000番台第2弾+2(プラス・ツー)。レヴュー第5回目は深町純/ある若者の肖像です。
フォークでも歌謡曲でもロックでもなく、どこにも属すことの出来ない孤高のアルバム。自身が大学で学んだクラシックの要素から発展してシャンソン〜ジャズ・・・・。そこからいつの間にかシンガー・ソングライターとしての側面を見せ始める。まだシンガー・ソングライターなんていう言葉が定着する前の話だ。ギターを持って歌うスタイルがフォークならば、ピアノで弾き語るのがシンガー・ソングライターなのか?とにかく「〜風」というカテゴリさえも超越してしまった、全く新しい自分達の歌を吹き込んだ作品であることには間違いない。
スタイルは自由。奇妙で美しく若者特有の屈折した部分をさらしながら、ここにはある若者の肖像が焼き付いている。
そして独自のスタイルを貫き通しているが、不思議と孤独な風が吹いてこないのは、深町純の今までになかった全く新しいみんなの歌を作るという信念だろう。ただの歌ではない、「みんなの歌」だ。レコードの制作の現場は孤独との戦いだったかもしれないが、その向こう側にはいつだってみんなの顔が見え隠れしていた。そういう気持ちで作られた作品だからこそ、いつまでも純粋で美しいレコードなのだろう。決して自分の殻に閉じこもっているわけではなく、そこから飛び出し人と人とを繋ぐことを夢見た、そしてどこまでも希望に満ちた深町純の衝撃のデビュー作。