三上寛さんと伝説の肉屋キャロル歌舞伎町店でホルモン焼きを一緒に食べた。
三上さんはライブの後だから、もりもり食べるしビールも良く飲む。気さく。良く喋る。なんだか懐かしい人だった。ずっと前から知っている人みたいだ。いきなり打ち解けられる。今も変わらない音楽に対する気持ちや、女性器の事を各地の方言でなんて呼ぶのかとか、今撮っている映画のこと、赤塚不二夫のまんがNO.1のことなど、次から次へと会話がリズミカルに続く。三上さんのギターみたいだ。とにかく生きた言葉がポンポンポン。その言葉からは面白い人たちや素敵な人たちとたくさん出会い、もちろん悪い人にもたくさん出会い、東京で生き抜いてきた強さがあった。
この日のライブでは「夢は夜ひらく」をアコースティックギターで弾き語った。新宿で夢は夜ひらく。劇的な瞬間だった。
歌舞伎町で三上さんと肩を組んで写真を撮った。いつまでたっても明るい歌舞伎町がなんだか淋しかったけど、そのがっちりした身体は優しかった。カメラを見る顔がいつの間にか笑顔になった。
後で知ったことだか伝説の肉やキャロルはジョニー大倉プロデュースの店らしい。すごい。東京12チャンネルの赤塚不二夫の激情NO.1を思い出した。なんという偶然だろうか。これも縁なのか。
11/21発売コロムビア・ニッポン・ロック・アーカイブスVOL.2大好評発売中
・三上寛の世界(紙ジャケ)
・三上寛のひとりごと(紙ジャケ)
見開きジャケット。中に閉じられている歌詞カードも再現。オリジナルLPどおりだ。とてもいい。
音羽信(オトワシン)の『わすれがたみ』(74)、そして、横浜日本語ロックの導師、吉野大作のジャックス・ミーツ・夕焼け楽団なアシッド傑作『吉野大作ランプ製造工場パーフェクト・エディション(2CD)』(74)の試聴を本日より開始しています。
音羽信『わすれがたみ』なんて当時自主制作で数百枚プレス、今回が初CD化となった正に幻の1枚。聞いたことの無い人がほとんどで、聞かないことにはこのアルバムの全貌が良く伝わらない作品だとおもいますので、是非聞いてみて下さい。基本はシンプルな弾き語り。湿った空気と渇いた空気が交じり合って、独特なアシッド感を作り出しています。そして音羽の後ろには、久保田麻琴と夕焼け楽団のメンバーが控えめながら歌と幻想的な世界を活かすバッキングをさりげなく務めており、全部が大変貴重な演奏となっています。音羽独特のポップなメロディーも聞きやすい。
久保田麻琴のアルバム『まちぼうけ』と同名異曲の「まちぼうけ」「挽歌」ももちろん試聴できますので、是非。
同時発売の吉野大作の『吉野大作ランプ製造工場デラックス・エディション(2CD)』も試聴できます。こちらはバンドサウンドながら吉野大作のポップな感性にどこまでもトリッキーで気持ちがいいギターが絡み、独特の歌詞と相まってどこにも属さない摩訶不思議な世界を作り上げています。
そしてやっぱりDISK2に収録された「流れにそって」はすごい。超名曲だ。12分に及ぶライブバージョンでありながら、長さを全く感じさせない締まった演奏。歌詞も泣けるし間奏と終盤の泣き泣きのギターもとことん染みる。こんな名曲がひょっこり横浜で産み落とされていたという事からも横浜ロックの底力を見せ付けられる。そして尾崎豊がこの曲をギターを手にした頃(中学生頃)に気に入ってよくカバーしていたという話しもすごいが、尾崎の純粋な感性にぴったりとマッチしたのだろう。吉野大作と尾崎豊。全く交じり合いそうも無い二者が、実は交じり合っていたという事実。不思議だ。
12/21発売 【特典あり&試聴あり】70's・アシッド・フォーク・コレクション第2弾音羽信「わすれがたみ」、第3弾吉野大作「吉野大作ランプ製造工場」
唐突ですがハイドパーク・ミュージック・フェスティバルはやっぱり楽しかった。今も深く胸に刻まれています。都心から電車で40分、公園の中央にあるステージ。空から太陽、下から緑。異空間ではなく現実的な空間だったことが良かった。晴天も豪雨も体験したけど、帰りは普通にTシャツ買って、電車で帰ったし。ただ純粋に音楽が好きな人が多かったような気がする。
2005年のハイドパークの模様を収めたDVDが好評発売中ですが、伝説にするには早すぎると思った。信じられないぐらいの集中豪雨も、その後何故か雨が止んでそこに登場した細野さんも。みんなが興奮したことは間違いなく、もう2度と見られないかもしれない面子が揃ったということも間違いないけれどこうやってDVDがきちんとリリースされたので、行った人もいけなかった人も、雨で途中、嫌になって帰った人も、みんなが映像を楽しめる。
昼、夕方、夜、晴れ、雨、曇り。1日の移り変わりや気まぐれな天候。良いときもあれば悪い時もある。毎日の生活の縮図みたいな2日間。そしてこれらは伝説でもなんでもなくて、そこにただ本当に純粋で良質な音楽が流れていたというだけの話し。だからみんな助かった。
ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル2005DVD好評発売中!
3連休で日光へ旅行に行き、逆に普段より健康的な2日間。太陽を浴びて、ロープウェイでサル山にのぼり猿と戯れ、温泉に入り、サウナでさっぱりし、飯を食い、飲み、早々に寝て、翌朝は朝飯からスタート。普段ほとんど朝飯を食べないからか、こんなに朝ごはんが美味いとは思わなかった。ご飯お替わり、納豆2パック、味噌汁も美味すぎる。
チェックアウト後、ディカプリオもお忍びで来ていたライン下り、日光東照宮を回って新宿駅へ。中央線に乗るとなんだかほっとした。
フーと一息。
連休最終日のちょっと空いた中央線、そこで聞いた石間ヒデキのONE DAYは気持ちよかった。レイドバックしたリズムに乗った渇いたボーカルがだるい。身体の節々にそのダルさが心地よく染み渡る。ちょうど温泉に浸かったときに感じる気持ちよさに似ている。車内には連休最終日のあのなんとも言えない空気が漂う。明日は月曜日、もうすぐ楽しかった3日間が終わってしまう、今日はどうしよう、連休最終日をまだまだ心行くまで楽しむか、それとも疲れたから早めに帰り、風呂に入り眠ってしまうか?みんなそんなこと考えているだろうなあと想像していたら10分くらい本気で眠っていた。
朝でも昼でも夜でもどこでも、場所を選ばない渇いた声とスライドが気持ちい優れたシンガー・ソングライター作品。
ホッと一息つけるこの安心感は変幻自在のギターの音色から。レインボーカラーだ。
甘えん坊の大学生バンドなのか?
今回のコロムビア・ニッポンロック・アーカイヴスの中でも一番目立たないバンド0座標。彼らの名前を一番最初に知ったのは喫茶ロックシリーズのコロムビア編に収録された「授業のあいまに……」という楽曲だった。今までこの1曲しかCD化されていないカルト・バンドが、なんと前半を1974年の解散ライブ、後半を1973年のオリジナルアルバムで構成した全23曲というフルボリュームで初CD化された。
この曲順の意図は豪華ブックレットに掲載されている0座標メンバー代表の真柄久義氏の「ごあいさつとおことわり」を参照して欲しい。
さて、一気に全曲聞いた。正直、全部切ない。
演奏も歌も上手くない。演奏だけ抜き取ると大学生が授業の合間に練習して、バイト感覚でバンドをやっている感じだ。だけど、それぞれがアマチュアとは一線を画した優れた詩と曲を作っている。そして曲を作った人がだいたいボーカルを取っている。だから一生懸命歌う。一生懸命ハモる。時には詩の世界にかつての自分の影を見てしまって、涙で言葉を詰まらせてしまったりする。初々しい。流れる世界はたくさんのさよならとこんにちはが混在している青春そのものだ。そしてそのキイワードをベースに全ての楽曲を0座標のメンバーが担当した解散ライブも、プロデューサーの三浦義和のコンセプトナンバーを歌った「脛噛りの一人言」も、地続きになっている。
自分達の未熟な部分を晒しながらも夢のようなサウンドとコーラスを武器に、迷いに迷ったギリギリの、究極のガレージサウンド。一気に聞けばどうしようもない日常も迷いもどこかへ吹き飛んでいる。終わりからはじめた今回のこのコンセプトは成功している。甘えん坊だけど、実に逞しい。
ジャケットの絵。良く見てみると意味深なものが色々転がっていて面白い。布団に包まったおねえちゃんがセクシーだ。二年目の同棲時代といった趣の荒れ様だ。一応腕枕してるけど、そっぽ向いてる。どうしようもない。
「友達よ聞いて下さい」
これが比呂公一/果樹園の帯コピー文句だ。すごい。コピー文句だけから音を想像するとなるとフォークだ。しらけた日常生活に戻り、だけどどこか刺激の足りない毎日に満足できなくて、くすぶっている青春の日々を歌っているようなフォーク。
だけど比呂公一/果樹園はフォークでもなければロックでもない、今で言うシティーポップに近い作品。このアルバムがリリースされた1972年当時、このフォークでもロックでもない洗練された内容は、なかなか受け入れられなかっただろうということは、想像に難くない。
しかし本作が単なる洗練されたポップアルバムではなく、幻影的〜牧歌的風景をを背負ったものとしてあるのがいい。言葉一つ一つが意味深で、重みがある。風と星に彩られた世界は、ジャケットのオレンジと相まって、孤独な朝焼けの希望にただじっと目をむけているかのようだ。このような希望は1970年代独特のものだとおもう。そして今の音楽からはほとんど見受けられなくなってしまった希望や星。それらはピースへと向かっているのだけれど、高らかに宣言されず、淡々と歌の中で綴られているのが奥ゆかしくていい。
アルバム果樹園全編に渡って、作曲、編曲を担当した比呂公一。ここでの経験が2年後の葡萄畑のファーストアルバム葡萄畑でプロデュース、編曲作業において如何なく発揮されている。続けて聞くと4曲目の「遅い汽車」がその後の葡萄畑の世界に通じていて、面白い。
「音楽密造者発覚!!」
日野原幼紀/螺旋時間の帯コピー文句が全てを物語っている。そうだ、このひと、このアルバムで今まで誰に聞かせるともなく制作してきた音楽を、発見されてしまったのだ。
そしてやっぱり久しぶりに音楽を聞いて感動した。ものすごい衝撃を受けた。一人でホワイト・アルバムのおいしいところだけを取り出して、ジョン、ポール、ジョージ、そしてリンゴの4役を演じ、究極のポップを1972年の東京でたった一人鳴らした。どんどん上へ上へと絶頂を目指してあがっていくかのような転調が、何より気持がちいい。曲をこの上なく盛り上げるコーラスも、そしてストリングスもそれに覆いかぶさる。高音でひょろひょろしながらも歌いきる日野原のボーカルも最高だ。その歌声からはただただピュアな強い気持ちが、ひねくれた楽曲の隙間からとぼけた顔して覗いている。
とにかくオーバープロデュースされていない。自由に気ままに遊んだ録音だ。アレンジも、ギターの響きも、コーラスも、ストリングスも日野原の書く楽曲を生かすためだけになされている。そうやって完成されたひとつひとつの曲は、未完成の美に行き当たる。バンドというひとつの共同体が奏でる音楽からは絶対に味わえない、ポップな明るさの陰に隠れたちょっぴりやけっぱちな、ひとりぽっちの哀しさが伝わって来る。
アルバム中、散々遊んだ後にこのアルバムのラストを飾る「慕い寄る我が想い」が流れると、全ての想いへ向けた美しさにただただ圧倒されて、何にも言葉が出てこなかった。そしてまた1曲目「さあ諸君!」へと楽曲は戻っていく。螺旋階段をぐるぐる登ったり降りたししているみたいな感覚。そういう感覚のことを螺旋時間て言うのかな?
文句なしの10点満点。
12/19発売のタモリ紙ジャケ。ディスクユニオンで3タイトルまとめ買いでもらえるタモリ箱のデザインが届きました。引き続きご予約受付中です。初回限定紙ジャケ仕様、さらに特典の数にも限りがございますので、ご予約はお早めに。
しかしタモリの紙ジャケのニュースは本当に各所で盛り上がっています。ヤフーのニュースになった時にはびっくりしましたが。今年でタモリレコードデビュー30周年とかそんな節目での盛り上がり関係なしに、実はみんな聞きたかった作品なのでしょう。
そしてやっぱりアフリカ民族音楽「ソバヤ」でのトチ狂ったタモリのエネルギーは凄い。ばかばかしい。この時でタモリ32歳。半分中年なのに、この人なにやってたんだろう。でもこんな遅咲きのベトっとした芸風の人、タモリ以外いない。大学浪人を経験、早稲田除籍、九州で保険外交員、ボーリング場の支配人と経て、1975年、30歳の時再び上京。経歴も含めて、その潜在していたエネルギーが一気に爆発した記録。今も昔もドンチャン騒ぎはお手のもの。
12/19発売 【特典あり】-特典画像掲載-タモリレコードデビュー30周年記念!遂にタモリの3作品が紙ジャケ復刻!!
日本の復刻作品などは、前後関係がすっぽり抜け落ちて、おいしいところだけピックアップしてポンとリリースされる場合が多い。今やそのラインアップやレーベル自体がコンセプトを持ってリリースに励んでいる場合が多いので仕方のないことなのだけれど、そのアーティストがそれまでにどんな作品を経て、その過程においてこんな音楽をやっていたという部分を見せないと、その作品の本当の面白さは伝わらないと思う。
その点、今回のコロムビア・ニッポンロック・アーカイブスは凄まじいし潔い。エイプリルフールやフラワーズというニューロックの人気盤に混じって、プロペラの作品が全部ラインナップにきちんと組み込まれているからだ(松本零士のジャケットで7インチシングルのみのリリースとなった赤てふちん「しむたんきんい/おはよう」は除く。「おはよう」は喫茶ロックシリーズのコロムビア編で聞くことができます)。それも11月の第2回目には比呂公一、日野原幼紀、0座標という今まで一度もCD化されたことのないマイナーな作品がいよいよ復刻。しかし当時も今も、ほとんど知られていないこれら作品郡が果たしてセールスにどれほど結びつくのか?と思う。そしてそんな冒険を35年後にまた試みている。
売れるに越したことはない。どんな作品でもそうだ。だけどプロペラというレーベルに残された良質な作品郡に再注目、その前後関係、全貌を明らかにするという試みは爽快だ。LPは何しろレアでそうそう耳にする機会はないもの。粒ぞろいな作品ばかりだからこそ、全部横に並べてみる必要があるのだ。そしてこの粒ぞろいながらも、驚くほどのクオリティを保ったままの作品に是非耳を傾けて欲しい。プロペラのロゴ同様、それらはまるで紙ヒコーキみたいに低空飛行のまま、リスナーの耳にゆっくりと心地よく迫ってくるはずだ。
11/21発売 【特典あり】コロムビア・ニッポン・ロック・アーカイブスVOL.2 プロペラフェア開催決定!!
吉野、音羽両氏より届いた写真は凄かった。35年前の写真。わすれがたみのフォトセッションもあったし、レコーディング風景、吉野さんのライブシーン、グッピー、横浜野音・・・。写真の根底には物語りが揺らめいていて、とってもいい。長髪、ヒッピー、ロック、フォーク、ドラッグ、男、女・・・。とにかく目に飛び込んでくるもの全てに心地よい匂いが漂っていて、日本のヒッピーたちのかっこよさには参った。やっぱりリアルだ。
そして音羽信のわすれがたみ。このオリジナルライナーノーツが見つかった。トレーシングペーパーを用い、音羽信の手書き歌詞、メッセージなどが書いてある。「わすれがたみ」自体が激レアで、ほとんどお目にかかれない。それに輪をかけてレアなのがこのオリジナルライナーノーツで、持っている人もほとんどいないのではいないかという代物。音羽信がいかに「わすれがたみ」というアルバムを大切にしていたのかが良くわかる。ちょうどLPサイズの二つ折りライナーだ。
上記2点をディスクユニオンオリジナル特典としてお買い上げ対1でそれぞれ差し上げます。とにかく資料性を重視。少しでも当時の横浜というポイントにスポットを当て、今までクローズされていた場の雰囲気が解放されて、ゆっくりと伝わってゆけばと思います。
商品及び特典の詳細は下記より
12/21発売 【特典あり】70's・アシッド・フォーク・コレクション第2弾音羽信「わすれがたみ」、第3弾吉野大作「吉野大作ランプ製造工場」
プロペラレーベルで真っ先に思いつくアルバムは、瀬川洋/ピエロだ。個人的にも一番初めにプロペラというレーベルに触れたのはこのアルバムだったし、6曲目の「靴ずれのおしゃべり」を除いて、全て瀬川のオリジナル曲、全曲日本語という点で、瀬川のシンガーとしての才能だけでなく、ソングライティング力の巧みさに関しても改めて思い知らされた1枚だった。そしてちょっと土臭く、カントリーロック調の楽曲も、のんびりとゆったりした雰囲気を醸し出していて、聞きやすかった。この全体に漂う雰囲気は、久保田麻琴と夕焼け楽団の雰囲気と似ていて、3曲目の「何故に生まれて」はハワイ・チャンプルーの6曲目「いつの日かおまえは」に繋がり、さらに10曲目の「時はながれて〜さよならベイビー〜」は同じくハワイ・チャンプルーの10曲目「バイ・バイ・ベイビー」へと繋がる。
久保田麻琴の1973年のソロ・アルバム「まちぼうけ」に瀬川洋がコーラスで参加していることからも、古くからの交流をこうやって音で表現するというのはなんとも心地よい。
11/21発売 【特典あり】コロムビア・ニッポン・ロック・アーカイブスVOL.2 プロペラフェア開催決定!!
70’sアシッド・フォーク・コレクション第3弾の吉野大作ランプ製造工場完全盤。気になるその収録曲目が届きました。
DISK1にはランプ製造工場+1974年の横浜国立大学蒼翠寮体育館で行なわれた当時のライブ音源が収録。主に当時自主でリリースしたばかりのランプ製造工場」からの曲を演奏。しかしながら「俺は釘を打つ」ってなんだ?なんというタイトルなんだ。このタイトルを吉野さんから聞いたとき思わず笑ってしまった。吉野さんも笑っていたが。一体何を言っているんだって。
DISK2には未発表曲満載。1975年の吉野大作BANDのライブが丸々占める。今も頻繁にライブを行なっている横浜グッピーでの極初期のライブ音源だ。
いずれも音を少し聞かせてもらったけれど、音質も良く、ギターも演奏もめちゃくちゃかっこいい。そしてブルージーなんだけれどポップな世界は衝撃的だ。正直何処にも属さない、独特な日本のロックだ。横浜の街角でぽっかりと浮かんだ怪作。それも英語ではなく日本語で当たり前にやっているところが横浜という土地柄、痛快でかっこよすぎる。
ブックレットには湯浅学のライナー及び当時の未発表写真も収録で、今までほとんど語られることがなかった横浜ロックシーンに関して、いよいよ明らかになる。そしてこのジャケット。いつ見ても意味が良くわからなくて好きだ。意味なんか無いのだろう。
12/21発売 久保田麻琴まちぼうけに続く70's・アシッド・フォーク・コレクション第2弾音羽信「わすれがたみ」、第3弾吉野大作「吉野大作ランプ製造工場」
遠藤賢司バンドの魅力は性急さと激しさと優しさだろう。ここでは弾きまくり、叫びまくる。というか本作において1曲目「不滅の男」のリフが流れ出した瞬間こ「不滅の男」がもはやロックスタンダードとしてあることが分かるし、続く「満足できるかな」でも誰もが本能的に持っているロックな部分を揺さぶり続けられる。
そしてなんといっても圧巻は23分45秒にも渡る「輪島の瞳」だ。元横綱・輪島が親方業を廃業し、プロレスラーに転向、ジャイアント馬場率いる全日本プロレスに入門、地元石川県七尾市での国内デビュー戦をテレビで見ていたエンケンが衝撃を受けて作ったヘヴィロックナンバー。対戦相手はインドの【狂える虎】タイガー・ジェット・シンだ。試合後の輪島の目にいっぱい溜まった涙と汗。輪島の心の痛みを自分の痛みとして捉え、一からスタートしたかつての横綱である中年の男の希望と哀愁を叫ぶ。僕はこの曲を聞くといつもいてもたってもいられない気持ちになって、鳥肌が立つ。一生懸命とはなんときれいな事か。輪島はプロレスラーになってから余計な事は何ひとつ言わず、一生懸命だった。だからかっこよかった。絶望の淵から文字通り身体ひとつで立ち上がろうとした男の歌。僕も当時テレビで見ていた。寒かった思い出があるから、あれは冬のことなのか。
エンケンはきっと年齢も近い輪島の一生懸命な美しい姿に、自分もそうありたいと、自分の姿を重ね合せていたのではないかと思う。
11/24発売 遠藤賢司バンド 不滅の男完全復刻!!
11月2日金曜日。一週間の終わり。東京地方は今にも雨が降り出しそうな曇り空で、寒い風が吹いているし、このタイミングで風邪を引いてしまった。これから土曜日がやって来て日曜日がやってくる。そんな日の午後は健康な身体を思いながらベッドで加藤和彦「それから先のことは」と「ガーディニア」を聞きたい。
ここには一日の始まりと終わりがあって、朝の太陽の光はいつの間にか夕陽に変わって、一人一人の想いが揺れているから好きだ。影も形もない、目に見えない心を見つめて、それを唄っているから好きだ。
正にシティーポップの先駆けのような2作品ではあるが、安井かずみの作詞は灯に包まれているようでゆらゆら揺れる加藤和彦のボーカルも暖かい。
フォークルを解散してから最初にリリースしたファースト・ソロ・アルバム、「ぼくのそばにおいでよ」。フォーキーなこのアルバムからギンギンのロックバンドを経て、またソロに戻った仕切りなおしの2作品。加藤和彦のベースに流れる、丁寧な楽曲の進行は繰り返し聞かれていくべき強さがある。