このアルバム、一体今までに何回聞いただろうか。
CDとLP(残念ながらセカンドプレス)で所有、文字通り擦り切れるくらい聞いて、そのたびにこのアルバム全体に流れる妖しい香りと暖かい木の温もりに包まれる。
1973年の久保田麻琴のデビューはそれまでの裸のラリーズでのベーシストという異色な経歴も納得できる心温まるアシッド・フォーク作だ。
久保田麻琴/まちぼうけ
1.あさの光
2.かわいいお前
3.汽車
4.ひとごみ
5.山田氏の場合
6.丸山神社
7.まちぼうけ
8.休みの風
9.メイク・ラブco.
10.時は近づいて
11.プア・ボーイ
12.挽歌
10/26発売。オリジナルLPに忠実な紙ジャケット仕様。インナースリーブ他再現。 ¥2,500(税込)
通販でのご予約受付開始は9月上旬を予定。
97年と03年の大滝詠一のシングル曲2曲が7インチで幸せな結末/恋するふたりとして発売されるというインフォを見た瞬間に思ったのが、「あ、2枚買おう」ということでした。¥1,050(税込)だし、限定盤だし。やっぱりそういうリスナーは多いみたいでほとんどの人が2枚買いのようです。中には「5枚買う!!」って言って去っていった人もいましたが。
今年の9/21は多羅尾伴内楽團Vol.1&Vol2 30th Anniversary Editionもあるし、あがた森魚・大瀧詠一/僕は天使ぢゃないよ(紙ジャケット)もあって盛りだくさんで、秋の夜長が楽しくなりそうです。
しけた顔。青白い顔。情けない顔。陰気な顔。明日を背負ってとぼとぼ歩く。4畳半での青春。
意気地なし。意気地なし。おい、もっとがんばれよ。奮い立たせた気持ちを力いっぱい抱きしめて、苦しさと寂しさと悲しさを直視して、夢を輪切りに、自分を細切れに切り刻む東京の残酷な青春。
8/30発売
友川かずき初期3作品紙ジャケ復刻
・やっと一枚目
・肉声
・千羽鶴を口に咬えた日々
・特典ディスク付3タイトルまとめ買いセット
友川かずきのこれら3作品に流れる残酷で不器用で這いつくばった魂の叫びは剥き出しだ。情念と汗と涙にまみれた姿をそのまま音に焼き付ける。このような直接的な表現を生理的に受付けない人や見たくない人、聞きたくない人もいるだろう。言葉がわかる限り、聞いていて心地よい響きを伴った音楽では決してないし、本を読みながらとか何々しながら聞き流せる音楽でも決してない。おしゃれのカケラもないし、みんなでワイワイ聞ける音楽でもない。みんなこっそりと部屋で膝抱えて聞く生の残骸ども。本気になればなるほど見苦しく必死だ。
自分にないもの、自分の毎日にはない別のわくわくするような光り輝く未来を世界を音楽に追い求めるのも楽しいけれど、友川かずきの歌に自分の生活を重ね合わせ、そこから決して逃げずに対峙するのも音楽だ。
表面だけちょろっと救い上げた薄っぺらな愛の言葉にまみれた出がらし茶を片寄せあって啜る毎日にぼんやり痺れている頭を叩き潰せ。一喜一憂している暇があれば自分の悔しさ寂しさを直視しろ。友川かずきはそう自分に向けて一人で歌っている。
裸ジャケと言えば内田裕也とフラワーズ/CHALLENGE!。
9/19発売のニッポンロックアーカイヴスのラインナップを見て、最初このニューロックな5タイトルを収納できるBOX作るとしたら、やっぱりエイプリルフールのBOXがいいのかなとも思った。だけど、やっぱりCHALLENGE!になった。何といってもこの裸のフラワーズのジャケットはどこまでも映えるし、シリーズ第1弾をキレイにまとめていると思う。と言うことでやっぱりユニオンオリジナル特典はCHALLENGE!箱になりました。
GS期に日本におけるサイケデリック・サウンドを鳴らしたフラワーズ。洋楽のカバーを再現することから試行錯誤を繰り返し、フラワーズは単なるFLOWERではなくTRAVELLINGするBANDへと発展する。そのもがいた姿こそニューロックなのだと思う。
→コロムビアニッポンロック特典付きまとめ買いセット
お日様がおっことしたものはコールタールの黒。友部正人のこのライヴ音源は心の炎が真っ直ぐに孤独に燃えている。
1974 HOBO'S CONCERTS IV〜君のまわりをひとまわり〜
君のまわりをひとまわりという題はこのディスクにぴったりだと思う。どの曲からも気持ちが溢れているから。
考えや想っていることなんかが、止めようとしてもどうやっても止められなくて、いつの間にか一周して元に戻ってしまっていることがある。結局抜けきれない。だから哀しい。
だけど何度も何度も歌ったからもういいだろうというところでぷつりとこの歌は突然に終わってしまう。
この儚い思いは残酷に優しい。
そういえば、ティム・バックリィのGoodby And Helloの最後は『Morning Glory』というこの上なく美しい曲で締めくくられていた。そして何度もおまじないのように繰り返されるホーボーという言葉。
さようならはこんにちはに続く別の別の夢なのだ。だからいつまでも友部の最後の言葉が頭の中でループする。
だからもうおしまいさこの歌も
だからもうおしまいさこの歌も
DIG別冊として刊行されたROCKS OFF。その第2号が入荷しました。
表紙&巻頭特集ははっぴいえんど。もう何度も何度も語られ尽くした感のあるはっぴいえんどですが、当時のライブの詳細な記録(共演アーティストなど)もきちんと掲載されており、座談会も含めて興味深いエピソードが満載です。
その他遠藤賢司の「私の100枚」。これ、めちゃめちゃ面白い。フォークもロックもパンクもジャズも演歌もエンケン宇宙を形成したレコードが散りばめられていました。その時好きな音楽は同時にその人にとって宗教になりえるのだと改めて感じました。そしてその音楽(宗教)が身体の中に染み渡れば、それがその人の血となり肉となって成長に繋がり、そこから個性が形成されて自分教になっていくのかなとも思いました。
人と対峙して、そこから逃げないということ。選ばれた100枚プラスシングル曲にはそれが漲っていた。
自分自身の成長を相手に求めちゃ絶対にいけない。誰も助けちゃくれねーぞ。気をつけろよベイビー。
本日発売のエンケンの曲が満載なホーボーズコンサート7も併せてどうぞ。
→1974 HOBO'S CONCERTS(ホーボーズコンサート) VII〜虹の橋をわたる〜
友部正人の73年の名盤また見つけたよで語られる男と女の関係のうえで、結局ひとり取り残された汚れた青年の姿は、それでも意識がしっかりしていていいな、といつも思う。どこまでも真っ直ぐに伸びた影を背負って、毎日を歩いているから。だから汚れは目立たないし、芯は汚れていない。
でも大体自分の身を案じてくれて、悲しみを共有してくれて、手を握ってくれたような人は、今では他で結婚して子供が生まれて、男の前を通り過ぎていくものだ。だから、また見つけたよの見つけた対象はそんなに深いものではなくて、実は女の子なのかなとか思う。
このレコードを聞くたびに思うのだけれど、友部正人の心の痛さが言葉になる瞬間はどきどきするくらいスリリングで綺麗だ。だけど最後の「夕暮れ」が流れるとそんなことはいつの間にか全部忘れてしまっていて、ただただカレーライスが食べたくなる。東京の夕暮れにはカレーライスがどこまでも似合う。
8/24発売
友部正人の75年の名盤誰も僕の絵を描けないだろうから3曲の生々しいライブ録音収録。ピアノはもちろん坂本龍一。
→1974 HOBO'S CONCERTS IV〜君のまわりをひとまわり〜(紙ジャケット)
1975年に自主制作。メンバーはレック、ヒゴ・ヒロシ、チコ・ヒゲの3人。プレス枚数はたったの10枚。現存するLPは今どこにあるのか。
そんな伝説的激レアどころの騒ぎじゃない3/3が遂に復刻されてしまうのだ。Disc1にはオリジナルの7曲が、Disc2には未発表ライブ音源が収録された型破りでダントツな2枚組。この荒れ狂うハードロッキンでサイケデリックなサウンドの全貌がいよいよ明らかになる。
収録予定曲
DISC1
きかいのうた/ジャンプ/いつも/くものなか/とんでけ/まどあけて/ながされて
DISC2
クレイジー・ドリーム/ウー・ベイビー/かがやき/Vicious/I Can Tell/Johnny/せなかのコード/Pistol
※収録曲は変更の可能性あり
ディスクユニオンオリジナル特典
お買い上げの方先着で、希少オリジナルLPを忠実に再現した紙ジャケットを(商品とは別に)差し上げます。数に限りがございますので、ご注文はお早めに。
※今回の復刻はオリジナル音源のほかにライブ音源を収録した2枚組みWジャケット仕様です。ユニオンオリジナル特典はオリジナルLPシングルジャケットをそのままミニチュア復刻したものになります。ご期待ください。
→3/3ディスクユニオンオリジナル特典付き
プロペラはリリースアイテムこそ少ないが、名盤の宝庫だった。コロムビア内で立ち上げられたこの個性的なレーベルには9/19に紙ジャケリマスタリングで発売される山内テツ/TETSU、瀬川洋/ピエロ、石間ヒデキ/ONE DAYがあり、そして比呂公一の果樹園(未CD化)や0座標(未CD化)など個性的で完成度の高い、ポップな作品が並ぶ。GS残党組が、グループ解散後自ら曲を書き、歌うニューロック、アシッドフォーク的なシンガー・ソングライター作品が多いのも特徴だ。しかし日本のロックを聞いていくと必ずプロペラの壁にぶち当たる。というのもオリジナルLPはまず中古市場でも見かけない、高い、CD化されたものも現在廃盤という3拍子そろった悪条件で、なかなかまとめてプロペラレーベルにスポットを当てた復刻が今までされていなかったのが原状だ。それがこうして9/19にコロムビアニッポンロックアーカイヴスとしてプロペラにきちんとスポットが当たったのは正直嬉しい。今後のリリースにも期待してしまう。
さて9/19の目玉とも言える内田裕也とフラワーズ/CHALLENGE!(紙ジャケット) のボーナストラックが凄いことになってきた。
「FIRE」(アーサー・ブラウンのカヴァー)と「FIVE TO ONE」の2曲が新たに未発表音源として収録。ファーストアルバムレコーディング時のアウトテイクでどうして当時収録が見送られたのかは不明ながら、早く聞いてみたい2曲が追加収録。そのほかシングルバージョンの曲も含めて合計5曲のボーナス曲が収録。すごい。
コロムビアもプロペラもフォークではない別の手法で70年代初頭の日本のロックを高水準に推し進めたのは間違いがなく、そういえば今思い出したけれどDENONも当時配給はコロムビア。ということはガロをはじめとするマッシュルームの作品もコロムビアが配給を担当していたということになる。(現在アルファ作品はソニー配給)。URCとかベルウッドや最近復刻が相次いでいるポリドールMR5000番台と並んで、コロムビアもメジャーレーベルとして自社製品だけでなく70年代初頭の日本のロックをディープに押し広げていったのだ。
→コロムビアニッポンロックアーカーヴスvol.1特典付まとめ買いセット
1974年という時代を7枚のディスクに記録した、1974HOBO’S CONCERTS。アコースティックをメインに繰り広げられたこのコンサートは、どのディスクからも非常に低い温度での熱が伝わってくる。それは心地よい敗北感を装っているような、不思議な温もりだ。
1974年の記録が当時、2年後の1976年に7枚のシングルレコードとして発売された。それから31年後の2007年の8月に、当時と全く同じ仕様で、CDとしてリリースされる。いつも思うのだけれど、これはどういうことなのだろうか。残酷なことなのか。過去には絶対に戻れないし、当時抱いていた夢が今は敗れ去ってしまっているかもしれないし、戻りたくない傷もあるかもしれない。だけど僕は過ぎた時間を巻き戻し、残されたものを一生懸命聞く。CDをセットして流れ出す音は1974年のものなのだ。当時の記録はあっという間に噴出し、僕を連れ出してくれる。そこにはいつも心が躍るような見たことのない不思議な、そして綺麗な希望が横たわっている。
みんなこの頃平均年齢25,6歳くらいか。ジャケット裏のアーティストの写真はどれも不思議にそれ以上に年をとっている様に見える。もう少年の面影はすっかり消えている。そして今この世に居ないひともいる。
全7枚のディスクには「さよなら」が溢れている。それは時代からの、青春からの、バンドやユニットからの、それまでの自分からの「さよなら」だ。ホーボーズ・コンサートは終わりから始まっている。終わりから始まっているものには淡々とした強さがある。
夏の終わりに部屋でホーボーズ・コンサートのライブテイクが流れれば、心地よい喪失感と希望に満ちた、さりげない温度で部屋は包まれることだろう。だから僕がいつも思うのは、音楽が終わったら何をしようかということだ。
8/24発売 各¥2,300(税込)
・高田渡,中川五郎,なぎらけんいち他/1974 HOBO'S CONCERTS I〜見えないボールを投げる〜(紙ジャケット)
・林亭,佐藤博,シバ他/1974 HOBO'S CONCERTS II〜大きな青空が胸に〜(紙ジャケット)
・ディラン2,加川良,三上寛他/1974 HOBO'S CONCERTS III〜みんな昨日のようさ〜(紙ジャケット)
・友部正人,大塚まさじ,いとうたかお他/1974 HOBO'S CONCERTS IV〜君のまわりをひとまわり〜(紙ジャケット)
・細野晴臣,小坂忠,布谷文夫他/1974 HOBO'S CONCERTS V〜ありがとうありがとうありがとう〜(紙ジャケット)
・西岡恭蔵,斉藤哲夫,田舎芝居他/1974 HOBO'S CONCERTS VI〜空は君になじめたか〜(紙ジャケット)
・遠藤賢司,銀河鉄道他/1974 HOBO'S CONCERTS VII〜虹の橋をわたる〜(紙ジャケット)
※ジャケットデザイン:矢吹申彦
上記ベルウッド紙ジャケ復刻第4弾の「1974ホーボーズ・コンサート」7タイトルをまとめてお買い上げ頂いた方に先着で1.【1974HOBO'S CONCERTS 紙ジャケ収納復刻BOX】、2.【1974HOBO'S CONCERTS BOX 復刻ライナー】をそれぞれ差し上げます。
→1974HOBO’S CONCERTS特典付きまとめ買いセット
乙女の儚い夢がロマンになる。そしてそのバックをセンチメンタル集団のはちみつぱいが務めてしまうのだからこれはもうどうしようもないくらいの儚夢になってしまうのだ。
出会いは偶然で突然。あがた森魚と鈴木慶一の出会いはもはや日本のロック史に欠かすことのできない非常に重要なエピソードになっている。一方はロマンチストで一方はセンチメンタリスト。二人は出会うべくして出会ったのだ。
ここには最近の音楽にはない儚さがある。実に丁寧な男と女の夢がある。人を想い歌うということは、歌う方にとっては、実は残酷な事だ。歌うことを止めない限り、それは終わらないから。終わることのないどうしようもない想いに耐え切れなくて、だからあがたさんは歌いながら泣くのだと思う。そして想いは一直線には決して伝わらず、落ちた涙の数だけ放射線状に広がって行き、多くの人たちの心を激しく揺さぶった。
自分の世界を表現するということはこういうことなのだと思う。僕の私の本当を伝える。だからかっこ悪い。だから残る。
9/21発売 ベルウッド35周年紙ジャケコレクション第5弾
完全限定紙ジャケ仕様/2007年最新リマスタリング仕様
各¥2,500(税込)
・あがた森魚/乙女の儚夢(紙ジャケット) ※特殊ジャケ仕様 12p豪華ブックレットも完全復刻
・あがた森魚/噫無情(レ・ミゼラブル)(紙ジャケット) ※8p豪華ブックレットも完全復刻
・あがた森魚/僕は天使ぢゃないよ(紙ジャケット)
※9/21発売ベルウッド紙ジャケ復刻第5弾の「あがた森魚コレクション」3タイトルをまとめてお買い上げ頂いた方に先着で【あがた森魚直筆サイン入り乙女の儚夢原寸大復刻ブックレット】を差し上げます。
下記まとめ買いセットからお求めいただけます。
→あがた森魚特典付きまとめ買いセット
野音には行ったことがない。だけど10月に初めて行く。岡林信康が1971年の狂い咲きコンサートで1万人を動員してから36年、61歳の岡林が再び野音に帰ってくるからだ。狂い咲き2007。
だけど、この1971年の狂い咲きコンサートの実況録音盤は、そのほか数ある岡林のライブ盤(ほとんど未CD化)に比べると、あまり良いものではないと思うし、そんなに聴かない。アコースティックからエレクトリックへ変化して、ずっとディレイがかかったエレキの音があまり好きではないということと、柳田ヒログループとの連帯感が感じられないから。
なぎら健壱の本によるとこの日のライブでは途中岡林がステージ近くでヤジを入れている男に我慢ならなくなり、ギターを置いてゆっくりとステージ後方に下がり、助走をつけてフライングクロスチョップばりに客席に飛んで行き、その後揉みあっていた話などが面白かったけれど、今回の野音ではそんなことは絶対無い。なにしろ当時の岡林信康は25歳だったのだから。
何はともあれ、現代の御歌囃子スタイルでも、「山谷ブルース」や「チューリップのアップリケ」、「自由への長い旅」「今日をこえて」など60〜70年代の差別と自由をそのギラギラとした風貌でしかし迷いながら表現していた頃の歌もたくさん聴きたい。
1971年の野音では2度目の「私たちの望むものは」の大合唱で幕を閉じる。「ステージにあがらないでください」のアナウンスが真夏の野音に青白く響く。
絶望的前衛はこの時何を感じていたのだろうか。
きっと奇跡なんか起きないと感じたのだろう。
9/19発売岡林信康40周年記念紙ジャケコレクション
・岡林信康/街はステキなカーニバル(紙ジャケット)
・岡林信康/GOOD EVENING(紙ジャケット)
・岡林信康/ストーム(紙ジャケット)
昨日は暑くて、夜、なんだか眠れなくて、深夜のうなぎをめぐるドキュメント番組を見て寝ようとしたけれど、無理で、結局朝5時頃まで起きていた。何にもしていなかったけれど、ただ起きているのは気が滅入るから、高田渡の石を小さい音で聴いた。フォークとジャズが混在したこの奇妙なアルバムは、同時に女と男と朝と夜と若者と老人と生と死が混在していて、夜に聴くのにはいいなと思った。生活の中で目に入る人やモノや流れる時間がただあるから。そして何より聴きやすいのがいい。
半分眠りながら、最終曲「火吹竹」が流れてきたとき、この詩の作者、高田豊(高田渡の実父)は、この時どんな気持ちでこの詩を綴ったのだろうかと思った。もしかしたら自分はだめなんじゃないかと感じていたのかもしれない。そう感じた時ほど、人間を傷つけることはない。大人の男が夜の薄明かりの下、夜通し起きて火吹竹を作ってブーブー吹いているということはどういうことなのか。なんにもしてやしないというくだりには、敗北感がうっすら漂う。どうにもならない闇のなかで、壊れそうな気持ちと孤独を抱えながら抜け道をぼんやり模索している男(父親)の姿に曲をつけて歌った息子は、この時同時にどんな気持ちだったのだろうか。
生きていくうえでその人がどれほどの敗北感を味わうかということは重要なことではないと思うけれど、高田渡はそれを知っていたからこそ、この歌が出来上がったのだと思う。父の様々な気持ちまでも抱え込みながら、高田渡は人生全てを歌に費やし、酒に溺れはしたが、最終的に笑ったのだと思う。敗北を繰り返しながら、その都度立ち直り、トータルで生き抜いたのだ。
千羽鶴を口に咬えた日々。オープニングに続いて叩きつけられる日本の音楽史にギザギザと刻み込まれた名曲という域をはるかに超えた超曲「生きているって言ってみろ」。ここまで生に対する性急な欲求というのは、なんだろうか。
秋田から上京し、上京の状況を描いた青年はその恐ろしくハンサムな顔で、まっすぐな瞳で、東京で何を見て、何を思ったのか。人生は一度だけとかそんなことすら感じることなく、現場で身体を使って働いて、同じような人たちと飲み、打ち、買い、歌ったのだ。
「生きているって言ってみろ」だからこれは堕ちていきそうになる自分自身に必死になって向けられた痛烈な生に対する言葉なのだろう。聴いていたら色々なことを思い出して、たまらない気持ちになった。
上京するということが今よりも、もっともっと頑なで、決心が必要だった時代の中、東京でなかなか浮上できない青年の苛立ち。そしてそのまま「なまはげ」の歌詞にやられる。すべてにくそったれを叩きつける。自尊心や愛国心の全てに。フォークの中にこそ自由で今の音楽全てに繋がるくそったれが溢れ返っている。
8/30発売
友川かずき初期3作品特典付きまとめ買いセット
今年の9/21はいよいよ、多羅尾伴内楽團Vol.1&Vol2 30th Anniversary Editionがリリース。完全盤プラスボーナス・トラックが多数収録されるようですので、念願のリリースとなります。インフォを見た瞬間、ナイアガラ・ブラック・VOXに収録されていた本作をずっと聴いていた昨年の冬の事を思い出しました。30th Anniversary Editionには夏と冬の両方が収録されているので、まだまだ暑さの残る9月下旬〜秋に向かって、そして11月下旬〜2月下旬くらいの寒い日々を暖めてくれるアイテムとなるでしょう。シリア・ポールはどうして出ないんだろう?ということは来年は「レッツ・オンド」なのか?一緒に「DEBUT」は出ないのか?色々みんな大変です。
そして、さらに大滝関連のニュースは続き、幸せの結末/恋する二人のアナログ盤も9/21同時リリースとなりました。97年と03年の大滝詠一のシングル曲がカップリングされた最強のアナログ盤。全ポップスファン必携のアイテムです。聴く用と保存用と何枚も欲しくなってしまうアイテムです。どんなジャケットになるのか?今から楽しみです。しかし幸せの結末からもう10年か。10年なんて本当あっという間でした。
いずれも本日よりご予約受付開始しておりますー。
いよいよ9/19よりコロムビアからニッポンロックアーカイヴスと称した60年代後半〜70年代にかけてリリースされた
日本ロックの名盤の数々の復刻がスタートする。
9/21発売 第1弾 各タイトル¥2,350(税込)
・山内テツ/TETSU(紙ジャケット)※初紙ジャケット
・瀬川洋/ピエロ(紙ジャケット)
・石間ヒデキ/ONE DAY(紙ジャケット)※初紙ジャケット
・内田裕也とフラワーズ/CHALLENGE!(紙ジャケット)※初紙ジャケット
・エイプリルフール/エイプリルフール(紙ジャケット)※初紙ジャケット
初CD化作品はないが、いずれも10年近く前にCD化されたまま再プレス等もなく、中古CDでも高くなっているものばかり。オリジナルLPはまず見かけない。見かけてもめちゃくちゃ高い。
そんな中こうして最新リマスタリング、オリジナルに基づいた紙ジャケット仕様でのリリースは限定盤ながら嬉しい。紙ジャケという性質上、どうしても限定盤になってしまいます。
ロック、サイケ、フォークロック・・・。時代の真っ只中で作られ、鳴らされた音は、その時代を通過してこないと、その時代に生きていないと当たり前だけれど生み出すことが出来ないものだ。
そしてその時代の中でも真っ先に自分達の音を鳴らしたこれらの作品は当時セールス的に芳しいものではなかった。「セールス的に振るわない=受け入れられない」ではない。それはその後、このメンバー達が辿った足跡を見れば良くわかる。だからこそいつの時代にも自分達の音を鳴らし続けることができたのだ。絶対に変わることが出来ないかつての青年たちは心を持ったまま中年になって、星になった。中年の星はたくさんいる。
8月、9月のリリース情報多数更新しました。→ディスクユニオン日本のロック・インディーズ