JOHNNIE MARSHALL / I DUN STRUCK GOLD (EJSHANI MUSIC)
ニューヨーク出身。現在はカリフォルニアに居を構える。幼い頃から家に楽器が転がっており、トランペットを始めたのが音楽体験のスタートだったという。その後順調にセンスを磨き、好きなアーティストはMARVIN GAYEやQUINCY JONES、BABYFACEたちという至極 "まっとう" な路線を歩んできた。そんな彼から生まれる音楽は想像するに難しくはないが、それを更に突き進めた結果がこのアルバムといったところだろうか。
声質としてもまず頭に浮かぶのはBABYFACE。若干ボーイズ・ライク声質の面も醸し出しつつ、スムース〜メロウな曲を甘いテナーで彩っていく。濡れ系のスロウのようなタイプは見受けられないが、テンポがしっかりとあり、メリハリの効いたミッドが主流という、昨今意外といないタイプの内容である。そのミッドも現行R&Bスタイルではなく、あくまでアーバンな香りが充満したもの。オープニングも若干悩ましげな、しかしやはりテンポがしっかりとあるミッドからスタート。続くは今回のアルバムでは珍しいと言えるであろうスロウで、グッとアダルトな空間へ。
このあたりの曲は勿論、その他全編でエッチなギターが効いてるなぁと思ってクレジットを見たら二人のギタリストが。まずはERROL COONEY。LALAH HATHAWAYの来日公演で弾いていたりもしたので、スムースかつ艶のある音は十八番と言ったところか。そしてもう一人はGEORGE BENSON派として人気のあるDOC POWELL。この人もこの手を弾かせたら定評のあるところであろう。
前述でQUINCY JONESの名前を挙げたが、TEVIN CAMBELLを頻繁に使っていた時代のQUINCY作品とも大きな共通項があるかもしれない。しかし、やはり一番強調しておきたいのは、ドライヴのBGMにもマッチしそうなメロウR&Bアルバムということ。まだ暑い季節が続くが、秋風にぴったりとはまりそうな上質作である。
収録内容
1. Underdog
2. Goddess
3. Won't Be No Heartache
4. I Dun Struck Gold
5. Really Righteous
6. Instrumental
7. We Gon Always Be Together
8. DJ Play My Song
9. I'd Have To Be Crazy
10. A Man Needs Help
11. Hush
12. Baby I'm Gon Find You
13. Crazy As A Betsy Bug
14. Light Bulb
15. Do You Mind...
16. Those Songs
by 営業部 S氏
アーバン度 ☆☆☆☆☆ | バック大御所揃い度 ☆☆☆☆☆ | 美メロ度 ☆☆☆☆☆ | 本家童顔氏の近況も気になるところ度 ☆☆☆☆☆
KENI MYLES / MY RHYTHM & MY BLUES (KENI MYLES)
KENI MYLES。アトランタから、骨のあるスタイルのシンガーが登場した。JOEあたりと比較したくなるような男性味あふれるスタイル。90'sを基本としたスロウを中心としながらも甘さ一辺倒ではなく、あくまでも歌力で勝負をかける。それでいて、曲のクオリティは申し分なし。NE-YOスタイルが全盛のメジャー・シーン、その流れがこのインディ界も席巻しているご時世に登場した、この稀有な才能を放っておくのは勿体なさ過ぎる。
しかし、本国アメリカでは既にマライア・キャリーやクリスティーナ・アギレラ等の大メジャーなシンガーからアリ=オリ・ウッドソンなどの実力派まで、様々なキャラクターとの競演経験が物語るように、すでに騒がれ始めている様である。今年度後半の目玉といっても過言ではない逸材の登場だ。
収録内容
1. 2 Way Gift
2. Last Night
3. I Can't Count 'Em
4. Bad Man vs Good
5. Rain
6. DAMN!
7. Sexi
8. My Rhythm & My Blues
9. 4 This Luv feat. Kimberly Nicole, Shannon Howell and Nzinga
10. Dirty Sexy feat. Shy B
11. No One's To Blame feat. Tres Gilbert(Bass), Moses Staimez (Guitar)
12. Baby Girl feat. Jazmine Flower, Boo Man
13. This Can't Go On feat. DJ Quik on Percussion
14. Breakin' My Heart
オープニングは意表をつくように軽やかなミッド・スタイルからスタート。フェイク・ボーカルもばっちり決まって、こちらの期待感も否応なく上がってくる。そして早くもハイライトと呼びたくなるような(2)のスロウ。叙情的かつ情熱的に迫る様は、本当に久々に現れてくれた本格派シンガーの証と言えるだろう。
同スタイルの(5)(7)(11)、ぐっとテンポを落とし、さらに歌力で突き進む(4)、ピアノのみのバックがさらに歌を引き立たせるラストの(14)などスロウだけでも充分語られてしまいそうだが、要所に組み込まれたアップ〜ミッドもなかなかのもの。(6)のブルージーな面、一転してライトなメロウ・テイストで迫る(9)などやはり実力者が歌うと何でも形になってしまうということだろう。これらのミッド系では適度にクラシカルなソウル度数があり、このあたりも多くのリスナーの支持を取り付けられそうな予感である。
とにかく各曲から大物のにおいが漂ってくるこのアルバム、甘さやスムースさに侵食されつつある男性R&B界の楔となるであろう2008年の決定的な作品だ。
・KENI MYLES myspace
by 営業部 S氏
本格派度 ☆☆☆☆☆ | 20/20というグループのリードだったそうです度 ☆☆☆☆☆ | バック・トゥ・90's R&Bスタイル度 ☆☆☆☆☆ | やはりアトランタ奥深し度 ☆☆☆☆☆
CHESTNUT BROTHERS / WHOLE LOTTA YOU IN ME (ABDUL)
70年代〜80年代後半までにマイナー・レーベルよりシングル盤をリリース、そして1993年発売のアルバム「BROTHERLY LOVE」で復活、そしてさらにその10年後、2003年にミニアルバム「PEACE SUITE」で再び復活を遂げたAL CHESTNUTとTY CHESTNUTのCHESTNUT BROTHERSS。また10年近く待たされるのか!? と、心配しておりましたが5年で帰って来てくれました。新作シングル発売です。
前述の「PEACE SUITE」があまりにも素晴らしい出来栄えだった故、次作はこのクオリティを保てるのか?と危惧したものですが、ここまで経過すればもう、ただただ待ち遠しいばかりですものね。上手い!
収録内容
1. Whole Lotta You In Me (Grown & Sexy)
2. Whole Lotta You In Me (Slamm-a-licious Remix)
3. Come To Me (Radio Edit)
4. Come To Me (LP Version)
タイトル・トラックは93年盤収録の楽曲のリメイク。そして初出となるのが(3)(4)の"Come To Me"。いや、絶品!この絶妙なアーバン・コンテンポラリー具合とソウルフルなヴォーカルの妙味。基本的な路線は2003年作「PEACE SUITE」を継承、さらに歌ぢからを増した感触。楽曲がスロウ・ナンバーというのもグググッとキマす。
ご覧のとおり(4)は"LP Version"と記載されております。そう、そうなのです。どうやらアルバムを製作中の模様。う〜む、これも5年も待たされたら、私、我慢できないんだからッ!
・CHESTNUT BROTHERS HP
ブラコン全盛なアーバン度 ☆☆☆☆☆ | 2人のヴォーカル・ワークの妙味度 ☆☆☆☆☆ | ジャケのお姿は仲良すぎ度 ☆☆☆☆☆ | アルバム期待度 ☆☆☆☆☆
DAVID RUFFIN JR. / ALL MY LIFE EP (RUFFIN-IT-MUZIK)
とかく噂ばかりが先行しがちな大物シンガー二世作品だが、これは素晴らしい。親父(DAVID RUFFIN)譲りのストロングな喉、野性的な節回しという強力、尚且つ自滅もしかねない危険な武器を、ストリート〜クラブ系R&B楽曲、サウンドの衣に塗し確実に現代的ソウルとして表現出来てしまう恐るべき才能... たった4曲のミニアルバムなのになんだこの満腹感は!?
収録内容
1. All My Life
2. Muthaphuckawerk
3. Balcony
4. The "Y" Song (Keep The Faith)
by お茶の水店長 K氏(恩師)
やっと音源が正式リリースとなりましたDAVID RUFFINの息子、DAVID RUFFIN JR.。ずいぶんと前から myspace で、登場するやいなや悶絶し、楽曲を聞いては絶句していたワケですが、悲願成就。まぁ、とりあえず4曲で我慢しております。でも、いつかはフルアルバム、お願いしますよ!
・DAVID RUFFIN JR. myspace
まさかの御子息度 ☆☆☆☆☆ | ストロング・テナー度 ☆☆☆☆☆ | 楽曲クオリティ度 ☆☆☆☆ | フルアルバム切望度 ☆☆☆☆☆
LINK / CREEPIN (SUPERSTAR MUSIC)
98年にデビュー作「SEX DOWN」をリリースしていたが、その後まったく音沙汰がなかったLINKのなんと10年ぶりとなるセカンド・アルバム。モノクロに近い色合いのジャケット写真からはマイナーくささを感じてしまうが、そんなことはお構いなし。この10年のブランクが信じられないほどの充実した内容は、すべてのR&Bリスナー必聴といっても過言ではない、素晴らしいミッド〜スロウが目一杯つまった傑作と言い切れる作品だ。
特に90年代R&Bのファンにはたまらないタイプの濃密スロウは、NE-YOを中心とする優しげなスタイルが主流となっている現行メジャー・シーンでは良い意味で受け入れられない世界だろう。
収録内容
1. I Know
2. Git U N My Room
3. Git U N My Room (Interlude)
4. How Would You Like It
5. Sex Thang
6. Caught Up (Interlude)
7. Hooked
8. Shake For Dat Money
9. Am I
10. Personality
11. Creepin
12. The Break Up (Interlude)
13. It's Over Now14 Baby Back
そんな内容だが、10年前同様DARRELL "DELITE" ALLAMBYが今回も好サポート。主なところではSILKやL.S.G.、K-CI & JOJOなどなどそうそうたるメンツとの仕事経験があるが、この手の音を作らせたら右に出る者はいない敏腕プロデューサーだ。しかしそれはさておき、とにかく主役は言うまでもなくLINKの歌。しゃがれ感とスムース感、クールさと熱さ等々相反するキャラクターの声と、濃密かつ美メロなスロウの組み合わせが悪かろうはずはない。
サビのあまりにも90年代的なリフレインとの掛け合いが最高な(4)、セクシーに、そして突然登場するファルセットがぞくぞくする快感を覚える(5)あたりがハイライトと言えそうだが、インター・ルードやダーティーなミッドの(8)をはさみ、再度絶頂にむかう(9)〜(11)の濃厚スロウ3連発。そして突然の転調や、エッチなギター・ソロが更なる広がりを生む(13)、往年のスウィートなフィリー系を思い起こさせるメロウなギター・リフを使用したラストのミッドなど、その他も聴き所は盛りだくさんである。
本格派R&Bアルバムとして最高の内容であるこのアルバムを聴いていると、10年リリースがなかったのが不思議でしょうがない。しかしその空白の10年分を注ぎ込んだともいえる最高質のこの新作、今年度後半をひっぱてくれるであろう期待の作品だ。
by 営業部S氏
・オフィシャル myspace
祝!復活度 ☆☆☆☆☆ | 長いブランクをもろともせず度 ☆☆☆☆☆ | 貫禄のセクシー度 ☆☆☆☆☆ | 往年のR&B名シンガーたちのさらなる復活悲願度 ☆☆☆☆☆

DEEP 3、ADAM、ROI ANTHONY、AARON SLEDGEといったインディ良作が集中的に続々と入荷中!シンガーから直接届く荷物の中に、ちょっとしたコメントだったり、プレゼントだったりが入っていると、実に嬉しいんです。皆さま有難うございます!
兎に角、このインディ傑作たち、お聴き逃しなく!
IMPROMP2 / IT IS WHAT IT IS (JCS RECORDS)
MOTOWN傘下のフュージョン・レーベル、MOJAZZから95年に「YOU'RE GONNA LOVE IT」でデビュー。その後も97年、03年とアルバムをリリースして、そのジャジーな色気、スムースなアーバン・タッチで多くのマイナー・ソウル系リスナーや純粋なスムース・ジャズ・ファンから注目を浴びていたTp.とVo.によるコンビ、IMPROMP2が約4年ぶりに新作をリリース。現行のR&B、あるいはスムース・ジャズ界広しと言えどもここまで徹底したアーバン・メロウ感覚、そして恥美的と言っても過言ではない世界感は唯一無二といっても良いでしょう。
そして驚くべきはその豪華なゲスト陣。当然すべての人が全面参加というわけではありませんが、その名前だけでもすぐに買い!となるような名前がズラリ並びます。TAKE 6、BONEY JAMES、GEORGE DUKE、MARCUS MILLER、NORMAN BROWN、WAYMAN TISDALE、PAUL JACKSON JR.、そしてHARVEY MASON。と、ジャズ、フュージョン界の超大御所が大所帯で参加。これだけでアルバムのクオリティは保障されたようなものでしょう。
収録内容
1. It Is What It Is
2. Luv 2 Ball
3. Good Thang
4. I Wanna Know
5. Keep Doin'
6. I Wanna Marry U
7. Mojazz
8. You're a Queen
9. Dance with U
10. It's Alright
11. It Was Love
ソウル、R&Bリスナー側の期待感からすれば、このデュオの最大の売りともいえるライトなメロウ感覚も勿論健在。サード・アルバムはあの英EXPANSIONよりリリースされた実績もある、そのUK的なアーバン感覚に満たされたミッド・ナンバー中心の内容は、夜の色気と清涼感が同居するという、誠に稀有な世界を作り上げています(マーヴィンのカバー(2)は特に絶品!)。
蒸し暑くなるこの季節にぴったりな一枚として文句なく推薦できるIMPROMP2の新作。この夏の隠し玉としてぜひご利用ください。
・IMPROMP2 myspace
祝!新作度 ☆☆☆☆☆ | 豪華メンツ度 ☆☆☆☆☆ | スムース&アーバン度 ☆☆☆☆☆ | 大人の夜に乾杯度 ☆☆☆☆☆
DEEP3 / ALMOST FAMOUS (EXECUTIVE HITS)
2年前のデビュー作 「TOTAL SHOCK」 で待望久しい大型新人グループとの評価を受け、日本盤までリリース。そのままの勢いでリリースした昨年のセカンド 「SWAY WIT IT」 でグループ・ファンのみならず全R&Bリスナーのハートもしっかりとつかんだオハイオはクリーヴランド出身の3人組、DEEP3。メジャーでもここまでうまくいかないほどの順調さで早くも3枚目 「ALMOST FAMOUS」 発売決定!
プロデューサーはインディ・リスナーならすでにお馴染みになりつつあるSMOOTH APPROACHのJEFF "TIGHT" ROBERSONがデビュー作から引き続き担当。これだけでも内容の確かさは約束されたようなものです。
収録内容
1. Almost Famous
2. I Look Good feat.QP
3. Diamond
4. Like Money
5. R&B Intro
6. Sex Text
7. Your Body
8. Teddy Bear
9. U Got It Girl
10. Missing You
11. 2 Your Rescue
12. The Sway feat.Skant Bone
13. I Know U Trippin’
14. Super Bad
15. I Look Good R&B version
というのも現時点で届いている音源は(2)の地を這うような重厚ミッドのみ。しかし前作から引き続き収録されている(8)と(13)はトロトロのスロウというあたりから伺えるに、中西部あたりのバウンシーなミッド・ナンバーと極上スロウの組み合わせという基本線の大きな変更は行われていない模様。特に(8)は1枚目から3作連続収録(!)されている最上級のグループ・バラッド。曲、ハーモニーともに完璧な曲なので、過去作を買い逃しているリスナーにとっては大きなサービスといえるだろう。
その他、曲タイトルだけでドキリとしてしまうような(6)があったりして、曲名を見ているだけでわくわくしてしまうようなインディの、しかもグループ物の新譜は本当に久しぶりである。メジャー勢と並べてもなんら遜色ない出色の3人組。インディ界の至宝的なヴォーカル・グループ!やはり只者ではありません。
・DEEP3 myspace
祝!新作度 ☆☆☆☆☆ | 待望度 ☆☆☆☆☆ | ヴォーカル・グループの行方を担うであろう彼ら度 ☆☆☆☆☆ | SMOOTH APPROACHの復活も密かに切望度 ☆☆☆☆☆
ADAM EMIR / JOURNEY (NAPALM MUSIC)
ADAM EMIR。本名ADAM ROBERTSON、カリフォルニア生まれの23歳。3歳の時からシカゴへ居を移し、現在も地元の空気をたっぷりと吸った音楽を表現している新進期待のシンガーだ。6歳の時からピアノを弾き始め、正統派のR&B、ソウルとほんの少しのHIP HOPテイストから影響を受けているとは本人の談。具体的なアーティストとしてSTEVIE WONDER、MARVIN GAYE、BOB MARLEY、そしてQUINCY JONESらの名前を挙げている。90年代のR&Bテイストをメインとしつつ、ソウル・フレイヴァーを多々感じる楽曲が生まれているのは、このようなバック・グラウンドから来ているのだと聞くと納得する内容である。
06年のとあるコンテストの「Valentine's Day Song Writing Competition」で2万票以上の支持を集めダントツで優勝した経緯からも察するに、売りとしてはセンシティヴな楽曲とやるせない雰囲気を満載したテナー・ヴォイスからなる必殺のスウィート・メロウ・ソングス。歌唱も勿論だが作曲センスの高さは相当のものがあり、さすがシカゴ出身のシンガーと思わず頷いてしまう。
収録内容
1. Blowing My Wind
2. One and Only
3. Old School Love
4. Face In The Dirt
5. Lost Then Found
6. It’s Alright
7. Make It To The Other Side
8. Cheers
9. Breaking Thru
10. Rock Star
さてそんなADAMの出来立てのデビュー作、スロウ一辺倒で来ると思いきや割とバラエティに富んでいて、軽く予想を裏切られた感はあるが、クオリティの高い楽曲がぐいぐい聴き手を引き込んでいくことだろう。まずは注目したいのは (2)(3)と続くミッド・スロウの情熱的なスタイル。現代のバラッド・シンガーの得意とするスムースやネットリといった表現とは一味違う、かなりソウルフルなイメージが印象に残る。生楽器を強く意識したアレンジも、90年代風のテイストの曲にしっかりと溶け込んでいる。(5)はその路線を更に推し進めた最強ソング。ここがハイライトといえるだろう。
アップ系もエッジの効いたバウンシーな(1)(4)、情緒的な(10)がしっかりとアルバムのアクセントとして効用、メインと言えるミッド〜スロウとの見事なバランスを醸し出している。今後はこのアルバムのプロモーション・ツアーが中心になるであろうADAMの活動、なんと来日も視野に入れている程の幅広い活動を目論んでいる。アルバムのセールス次第ではあながち的外れではないこの話、ぜひ実現してほしいと思う。
by 営業部S氏
・ADAM EMIR myspace
祝!アルバム・リリース度 ☆☆☆☆☆ | 哀愁美メロ度 ☆☆☆☆☆ | 作曲の才能と歌心度 ☆☆☆☆☆ | やはりシカゴ、底が知れぬ度 ☆☆☆☆☆
RAHBI / RAW LIVE (RAHBI MUSIC)
"4TH AVENUE"というグループであのLAFACEと契約に漕ぎつけながらもアルバム発売まで至らず、現在はインディ界で活躍を続けるアトランタ出身シンガーの2枚目にして初のライヴ・アルバム。前作2006年の作品「YES SIR PRODUCTIONS PRESENTS: RAHBI THE E.P.」のリリースの頃から声、音楽性ともにラサーン・パターソンに似ていると一部のリスナーで話題になっていただけあって、2枚目をライヴ・アルバムでリリースで来たのもなんとなく納得の流れだ。
しかし、当人は自分の音楽を"グラマー・ソウル"と表現、単なるラサーンのフォロワーとは一味違うところをアピールするにあたって、ライヴ・アルバムというフォーマットを選ぶことは至極当然のことだったのかもしれない。全部で9曲、ライヴの全貌をとらえきっているわけではないだろうが、大まかな流れを想像できる編集は大変好感がもてる内容だ。
収録内容
1. He's Here
2. Bitter Sweet Dreams
3. Sistas and Brothas
4. Another Chance- Give It to Me Baby
5. Never Hurt You
6. Superstar
7. Edge of My Life
8. Giving Up
9. Take You 2 a Dream
オープニングMCに続く(2)で登場するのは何とユーリズミックスの有名曲。このセンスからしてグラマー・ソウルの本領発揮である。(4)ではリック・ジェイムスのナンバーもメドレー形式で披露、(6)のファンクと含めてラサーン・パターソンよりもプリンス直系のキャラクターというイメージが強い。
と思えば前作でも収録されていた超美メロ・スロウの(5)、グラディス・ナイト&ザ・ピップス、あるいはダニー・ハサウェイで知られる(8)のストレートな熱さ、曲構成と自らのフェイク、客席との掛け合い風なども織り交ぜた長尺曲(9)など、"硬派"な面も勿論披露。
バラエティという点でも良くできたライヴ・アルバムとなっている。バックの音もドラム、ベース、ギター、キーボード系にコーラスを絡めるシンプルなスタイル。一部感じられるロッキッシュな面やエレクトロ・ポップ的な部分も総じて幅広い才能を感じさせるシンガーとして、やはりラサーンやプリンスあたりと比較し得るキャラクターだ。
by 営業部S氏
・RAHBI myspace
才能度 ☆☆☆☆☆ | RAHBIって名前も、それっぽい度 ☆☆☆☆☆ | 実はデキるんです、ワタシ度 ☆☆☆☆☆ | さらなる才能開花に期待度 ☆☆☆☆☆
RISCO / BODY & SOUL (SHAK HOUSE/LAKE ENTERTAINMENT)
スペイン語での楽曲、裏ジャケットの風貌等から見るにチカーノ?と思われるシンガー。ところがどっこい、そこで敬遠してしまっては後で泣きますぞ。センシティヴなメロメロ系のスロウを多数収録、純度120%NのR&B隠れた優秀インディ作品としてお薦めできる好作品、RISCOによるデビュー・アルバム(おそらく)。
甘いテナーに時折ファルセットをからめ抒情的に歌い上げる歌唱スタイルも良し。ラテン・タッチの楽曲も70年代のニュー・ソウルのシンガー達がこぞって使用したようなニュアンスで料理、ソウル・センスの良さも端々から感じられます。
収録内容
1. Angel
2. Body & Soul
3. Como Te Llamas
4. Dont Change English
5. Dont Change Spanish
6. The way U move
7. Like That
8. She Keeps Saying
9. Only You
10. Say What Say What
11. So High
12. Strugglin
13. Warm
14. What Makes You Think
15. Tell Me Where U Going
16. Phone Sex English
17. Phone Sex Spanish
さてその数々のタイプの揃ったスロウ達。のっけからファルセット全快でせまる(2)のタイトル曲、90'Sのテイストをちりばめたベタベタ系ながらシンプルかつせつな系のメロに惹かれる(4)(8)(9)(11)、淡々としたリズムと曲構成ながら徐々にヴォーカルのアクセントで盛り上げていく(7)、ややクラシカルな70'Sの色を出しながらけだるく迫るセクシー系(10)、ファルセット・コーラスとの絡みがたまらない(12)、ラテンの色気を前面に出し、生楽器のアレンジも秀逸な(14)、タイトルだけで内容が想像できる(16)等々。
本格派バラディアーとして今後の活躍も楽しみなキャラクター、悶絶必至のこのアルバム。美メロ〜R&Bファンはぜひチェックです。
by 営業部S氏
・SHAKHOUSE RECORDS myspace
美メロ度 ☆☆☆☆☆ | このアルバム・タイトルの時点で興奮度 ☆☆☆☆☆ | 現在進行形スウィート・ソウル度 ☆☆☆☆☆ | 今後も注目のチカーノR&Bシーン度 ☆☆☆☆☆
ROI ANTHONY / TRUE SOUL LIFESTYLE (MOHITZ INTERTAINMENT)
LE JITというグループをご記憶だろうか? 70〜80年代スウィートの色香、ソウル・マナーを見事90年代的ストリート感覚溢れるプロダクションで昇華、歌心溢れるヴォーカルとコーラス・ワークでソウル/R&Bファンの間で半ば伝説的グループとして語られるも、97年「LE JIT」、99年「LEGITIMATELY YOURS」たった二枚のアルバムを残しただけで敢え無く解散してしまった兄弟トリオ。そのLE JITで凄まじいストロング・テナーで高らかに歌い上げていたのがこのROI ANTHONY。
昨年発表のソロ第一弾ミニ・アルバム「THE TRUE SOUL EXPERIENCE」から2曲を省き、新曲を10曲もぶち込んだフル・アルバムがようやくの完成。ロナルド・アイズレーを彷彿させる粘着度高いファルセットから、ボビー・ウーマックに肉薄するハード・シャウトまで、そのキャリアとテクニックのすべてをソウル表現に注ぎ込んだ者だけが醸し出す、普遍的な空気感と抜群のメロディ・センスに支えられた楽曲陣、タイトルもズバリ「TRUE SOUL LIFRSTYLE」とは... 60〜70年代邦題なら「真実のソウルに捧ぐ」とでも訳すであろう深く、感動的な作品に仕上がっています。
収録内容
1. Who Am I (Intro) feat Box
2. Beauty
3. Brand New
4. Open Invitation feat Big Bout It
5. 2nite
6. Shorty
7. Cutiest
8. My Supastar feat Suspecks
9. Where My Baby at (Cadilac) feat BG
10. Groove Swing
11. My Luv Song
12. Love feat Trisheena
13. Someone 2 Love
14. On Da Cool
15. Wanna Know U
16. Miss U
17. Long Way from Home feat Wayne Berry & Pallo da Jiint
18. All About Luv (1 Love) feat Pallo da Jiint
(1)(2)(4)(5)(8)(11)(12)(13)(14)(15)(18)が初出曲。
参考) ROI ANTHONY / THE TRUE SOUL EXPERIENCE ('07)
収録内容
1. The Prelude
2. Cutiest
3. Groove Swing
4. Brand New
5. Shorty
6. Caddy (Where My Baby At)
7. Freaky
8. Miss You
9. Long Way From Home (Bonus)
10. Long Way From Home Remix Feat. Pallo (Bonus)
(1)(7)がフル・アルバム未収録曲。
攻撃的リフに載せて煽るラッパーのイントロダクションからいきなりの濡れそぼりメロウ・チューン、スタイリスティックス代表曲"You Make Me Feel Brand New"のフレーズ・サンプリングから展開するラヴ・バラッド、ゴスペル・ライクなシャウトに一人多重録音の重厚で艶めかしいコーラスが絡みつくミッド・チューン、キャッチーなメロからじわじわヴォーカルが盛り上がるバウンシー・チューン、TRISHEENAなる女性シンガーとの濃密デュエットなど、"声"そのもののパワー、魅力を伝えるべく、ヴォーカル・アレンジ、ハーモニーが練り上げられているにも関わらず、まるでスタジオ一発、ワン・テイクで録音されたかの様な生々しい表現衝動が滲み出る"歌"。長くソウル/R&Bを愛好して来たうるさ型のファンはもちろん、ハイ・テナー全盛の現代USメジャーR&Bシーンの音に耳慣れた世代にも強く訴えかける"真実のソウル"、こんなアルバム、そうそうない。
by お茶の水店長 K氏(恩師)
・ROI ANTHONY myspace
祝!フル・アルバム度 ☆☆☆☆☆ | 歌心度 ☆☆☆☆☆ | 楽曲〜サウンドも文句ナシ度 ☆☆☆☆☆ | まさにリアル・ソウルを体現する男度 ☆☆☆☆☆
AARON SLEDGE / DA LIGHT (SKY HIGH)
インディR&Bシーンの真打登場!全編通して一貫した極上の美メロ・ナンバーを切に歌い上げる姿に心打たれる!世界中の熱心なR&Bフリークの間で早くも話題沸騰の注目の新人、AARON SLEDGEのデビュー・アルバム!
メジャーをも凌駕するほどの完成度を誇る作品群を輩出し続ける今のインディR&Bシーン。そんなインディR&Bシーンの真打登場と言っても過言ではないほどの完成度を誇るアルバムこそがこちら、今回ご紹介するシカゴの極上ゴスペル・シンガー、AARON SLEDGEのデビュー・アルバムであります。
MYSPACEで楽曲がアップされるやいなや、世界中の熱心なR&Bフリークの間で話題沸騰。そして絶妙なタイミングでアルバム・リリースとなった。メジャー作品とまったく引けを取らないクオリティを誇る楽曲群。MYSPACEでは数曲しか聴けなかったわけですが、全貌が明らかになってもその評価は下がることはなく、むしろ上がったくらい。そう、全曲が素晴らしい出来栄えという充実ぶりなのでる。
収録内容
1. 2nite
2. Closer
3. Speak The word
4. I'm Sorry
5. Hold On
6. Stuck Here
7. Da Light
8. Did It All For Me
9. Robbed
10. Paradise
11. Bad
12. Without Cha
13. The Program
14. Restoration
15. City Called Heaven
キーワードは美しさと熱いヴォーカル。昨年の暮れに大流行したJ.HOLIDAYの"Bed"のような世界観を持ちつつ、そこにゴスペルというフレイヴァーを交え、熱く、切なく歌い上げるスタイル。ピアノの旋律に包まれるような美しさの中、狂おしく迫るヴォーカルと美メロが絶妙にブレンドされたスロウ(4)(5)、都会的な雰囲気を醸し出す壮大なバラード(8)、続く(9)もアーバンで幻想的なメロウ・スロウ・ナンバー。
これらスロウ・ナンバーの充実だけだったら彼の評価はここまでは達しなかったであろう。その隙間を滑り込むようなミディアム群の充実ぶりも忘れてはならない。バウンスするトラックに踊らされるグルーヴィー・ナンバー(1)、美しさこの上ない極上ミディアム(2)、未来的でトリッキーな80'sフレイヴァーなミッド(6)あたりは、現在のR&Bシーンの流行するサウンドと見事にリンクする。
そのサグな風貌から放たれるソウルフルなヴォーカルと美しさに満ち溢れた楽曲群。シカゴという街が育んだ才能がここに昇天する。すべてのR&Bファンを魅了するであろうポテンシャルを持ったこのアルバム。2008年のインディR&Bシーンを代表するアルバムとなることは間違いない。全R&Bファンにお届けいたします。
・SKY HIGH ENTERTAINMENT MYSPACE
インディ作とは思えぬサウンド・クオリティ度 ☆☆☆☆☆ | 名前から醸し出される期待度 ☆☆☆☆☆ | 兎に角、美メロ度 ☆☆☆☆☆ | 2008年インディR&B重要作度 ☆☆☆☆☆
I.C. GREEN / MUSIC REVOLUTION (GREEN EYED)
DWIGHT "SKRAPP" REYNOLDSなる名のプロデューサー。AKONやWHITNEY HOUSTON、最近ではCUPIDも手掛ける注目の人である。このI.C. GREENなるアーティストのデビュー作、なんとその注目プロデューサーの変名ソロ・アルバムである。
アルバムの指揮をとっているTHE LEAGUEも本人のプロダクション・チーム。全体のクオリティの高さはハンパではないが、道理でと肯いてしまう説得力がアルバム全体を覆っている。アップ、ミディアム、スロウとバランスよく配置された高質の楽曲群、ソウルフルかつツボを得た歌唱スタイル、完璧なアレンジメントとどこをとってもプロフェッショナルの仕事。一躍今年度の最重要アルバムとして名乗りを挙げた好アルバムである。
収録内容
1. Music Revolution Intro
2. Part Time Stunna
3. Freaky With You
4. Throw 'Em Up (The A-Town Anthem)
5. Sayin Ooooo
6. Music Revolution
7. Don't Unplug the Phone
8. Special Lady
9. So Seductive
10. She's a Problem (Feat. DJ Legacy)
11. Touch the Sky
12. Roll With the Punches
そんな素晴らしい内容のアルバムから注目曲をご紹介するとSILK使いも巧みなセクシー・ナンバー(3)、出身地アトランタの誇りを雄々しく歌い上げる(4)、まるで70年代から現代までのソウル・ミュージックのスロウ〜ミッドの良い所取りをしたような(5)、(3)と同路線ながら更に艶っぽさを感じさせてくれる(8)(12)あたりが挙げられる。その他に(11)などはまるでLENNY KRAVITZのような完全なロック・ナンバーなのだがこのあたりも当人の才能の深さを感じてしまう。
インディ、R&Bリスナーだけではなく、ソウル・ファンにも充分アピールできる内容の作品としてブレイクする可能性も大。とにかくDWIGHT "SKRAPP" REYNOLDSとI.C.GREEN、二つのこの名前、今後も要チェック。
by 営業部S氏
・I.C. GREEN myspace
アーティストへの道度 ☆☆☆☆☆ | 歌ってもいよかです度 ☆☆☆☆☆ | 実は凄い髪型度 ☆☆☆☆☆ | 今後の活躍も要チェック度 ☆☆☆☆☆
MIKE STYLLZ / ONE LOVE (BESTBOY30)
オープニングのタイトル曲、ややダーティー・サウスを意識したような曲調に掴みどころのないインディ・シンガーとの印象しか残らないかもしれないが、アルバム全体を聴いていくとおぼろげながらこのシンガーの存在感たるものが見えてくる。
かなりルーズなリズムのあしらい方、太めだが本格派のシンガーとは一味違う声質、90'sのR&Bを基調としたメロウかつ気だるさを満載した曲調等々。シンプルかつ最小限の音数のトラック・メイキングも相俟って、何度リピート再生しても聴き疲れしない内容。むしろ中毒のように更に聴きたくなってしまう。そんないぶし銀のようなシンガー、MIKE STYLLZのニュー・アルバム「ONE LOVE」をご紹介。
幼いころから父親を知らずに育ち、ソーシャル・ワーカーをしていた母親の女手ひとつで育てられたという生い立ちを持つ。その為、幼少期の多くを一人で過ごすことが多かった彼の一番の教師はラジオだったということだ。様々なスタイルの音楽をそこから吸収していたがやはり一番のお気に入りがはソウル、R&Bだったことは言わずもがな。その後学生時代にSCHOOL BOYZなるグループ(これはBOYZ II MENのようなスタイルのグループだったという事)での活動経験もあるという。
今回のアルバムもおそらく予算的にインディの平均的なものに過ぎないことは想像に難しくはないが、その真摯な音楽に向き合う姿勢はこちら側にも充分伝わってくる。歌唱力も決して恵まれているとは言い難いが、まるでマーヴィンの多重録音を多用していた時期のアルバムを思い起こさせてくれるような内容は、まさに聴けば聴くほどのスルメ盤としてお薦めできる内容。派手ではないがしみじみとしたリスニング・タイムにはうってつけの一枚なのであります。
収録内容
1. One Love
2. Stay With Me
3. Pour My Love
4. All I Know
5. Sunshine
6. Tell Me (feat. B.I.)
7. Talk To Me
8. Still In Love
9. Shorty (feat. Choc Tye)
10. Serve You
11. What I Gotta Do
12. Strip Club
13. Like Home
by 営業部S氏
歌えるツラ構え度 ☆☆☆☆☆ | 90'sフレイバー度 ☆☆☆☆☆ | 味わい深さ度 ☆☆☆☆☆ | このシンプルさこそインディの醍醐味度 ☆☆☆☆☆
PRESTON GLASS / MUSIC AS MEDICINE (EXPANSION)
PRESTON GLASS... 彼の名前にピンと来た方はかなりの裏方通。「KENNY G / DUOTONES」「NATALIE / MISS YOU LIKE CRAZY」を始め、EARTH, WIND & FIRE、WHITNEY HOUSTON、GEORGE BENSON、ARETHA FRANKLIN他、数多くのフュージョン、R&B系大物達の楽曲のソング・ライティング、プロデュースを手がけたサウンド・クリエイターの集大成とも言えるセカンド・ソロ・アルバムが遂に完成。
2005年発表のファースト・ソロ「STREET CORNER PROPHECY」はその高いクォリティにも関わらず、自身のプライベート・レーベル制作であった為か一部ソウル/R&Bマニアの間で語られるのみだったが、本作はコンテンポラリー・ソウル/R&Bの制作、発表で信頼の高い英国EXPANSIONレーベルからのリリース。
収録内容
1. Love Will Get Us Through The Times (feat. LaToya London)
2. Groove Injection (feat. Seabron)
3. Blackberry (feat. Ali Woodson)
4. Save The Stress For Last (feat. Brian Culbertson & Rebbie Jackson)
5. Feel No Pain (feat. Keni Jackson)
6. Calming The Beast (feat. Dave Koz)
7. Panic Button (feat. Maurice White)
8. Good For Me (Good For You) (feat. Wilton Felder, Larry Graham, Amy Keys)
9. Burn It (feat. Silver Turtle)
10. Ready To Mend The Breaks (feat. Oya)
11. Everybody let's Dance (feat. Lyndon Carter)
12. The Healing Touch (feat. Kellie Blaise & Craig Thomas)
13. In Small Doses (feat. Carlos)
14. Somethin' You Can Bounce To
15. Without The Music (feat. Ali Woodson/Punkin)
16. Music As Medicine (feat. Gem)
曲毎に違うヴォーカリストを招き、本人が完璧にプロデューサー的視点でアルバム全体を統一している点にも注目、E,W & Fの中心人物、MAURICE WHITE、ベテラン・ソウル・ファンにはカリスマ視されるex.TEMPTATIONSのALI WOODSONというベテラン勢から、LATOYA LONDON、SEABRON、OYA他キャリアが浅いながら注目のヴォーカリストの起用、WILTON FELDER、LARRY GRAHAMといった腕利きのミュージシャンのゲスト参加も話題となるであろう。
楽曲は80'sのブラ・コン全盛期を彷彿とさせる美メロ、90'sスムース・ジャズを経由したジャジーでスタイリッシュなコード・ワーク、そして2000年以降ならではの自然なバランス、音色で組み立てられたリズム・コンポジションと、幅広い世代のソウル/R&Bファンがそれぞれの想いを具現化するキー・ワードが散りばめられた確信犯的仕事ぶり、情報、薀蓄無用の心地良いサウンドでこの夏のドライヴには欠かせぬ一枚となる事間違いなしなのです。
by お茶の水店長 K氏(恩師)
名音職人度 ☆☆☆☆☆ | 豪華ヴォーカル陣度 ☆☆☆☆☆ | 英EXPANSIONのセンス度 ☆☆☆☆☆ | 祝!アリオリ参加度 ☆☆☆☆☆
WENDELL B. / TIME TO RELAX... LOVE, LIFE & RELATIONSHIP (SMOOTHWAY MUSIC)
今やあの伝説のグループ、L.L.C.の世に送り出した男という肩書き抜きにしても、確かな歌唱力と作り出す楽曲のクオリティからR&B〜インディ・ソウル・ファンに絶大な人気を誇るWENDELL B.ことWENDELL BROWN。前作のフル・アルバム「GOOD TIMES」収録の"Heaven Sent Me An Angel"をはじめとする楽曲は小ヒットを記録し、彼の音楽活動も勢いづくかと思われたが、前作、前々作と続いた2作はクリスマス・アルバム。ということで本作はWENDELLファンにとって待望の新作(フル・アルバム)といえよう。
前述したL.L.C.のアルバムはアトランタで製作されたようだが、彼は現在セントルイスに腰を落ち着けて音楽活動をしているようだ。さて、ようやく届いた本作の内容だがアルバムの構成が非常に凝った作りになっている。というのもWENDELL関係者(マネージャー、CUZZO MUSIC GROUP担当者、CD BABY担当者)のインタビュー、また彼がアメリカ南部について思うところをインタビューとして挿入しているという按配。彼のホームページを見るとアメリカ南部を襲った大型台風のカトリーナ被害に対する救済活動(被害者を励ますために2006年にクリスマス・シングル製作ほか)も行っているという人情深い一面も持つ。
こうした活動からも出身の南部を誇りに思い、今も活動の拠点にしているという彼のこだわりが感じられる。こうした歌が入っていない楽曲が23曲中9曲収録されているが、歌入りの楽曲も相変わらずの濃度でスムース、ロマンティックでありながら変にいやらしくはならないのは彼の作り出す楽曲の特徴といえる。
収録内容
1. Intro
2. It's On
3. Judy Jones (Wen's Manager)
4. Bounce
5. She Didn't Have To Hurt Ya Boy Like That
6. T-Bone (Wen's Road Manager)
7. Somebody Loves Me True
8. DJ T-Man
9. Get Up Early In The Morning
10. Loretta (Wen's Cuz)
11. This Ain't Livin'
12. A Tribute To Our Past Balladeers
13. I'm Leavin'...
14. Big T (Wen's Security)
15. Is It Over?
16. Keep It Real
17. Ben "Nax" (Wen's Pot'na)
18. Step feat. Diggy
19. Back Ta That feat. Sheneatha Frison
20. The Interview with Cathy B (On Air-Personality WDLT 98.3)
21. Judy on Wen's Back
22. Nick at CD Baby
23. "Q" From Down South (Wen's Cuz)
タイトルにもあるようにリラックスして聞ける雰囲気を重視して8割がバラードだが、前作に引き続きラッパーのDIGGYをフィーチャーした"STEP"は気持ちの良いミディアム・テンポのステッパー系の楽曲。またバラードの中ではイントロからアコースティック・ピアノの旋律がセンチメンタルな雰囲気を演出する"Somebody Loves Me True"が出色の出来。甘茶ソウル三原則の「甘く、せつなく、やるせなく」が思わず脳裏に浮かんでしまう絶品の官能的なスロー・バラードだ。
脱線するが先日、某ブラック・ミュージック誌の編集者様と打ち合わせした際にこのWELDELLの話になり、彼の体のデカさと周辺の音楽事情について熱く語り合ったことが記憶に新しい。それだけ我々ブラック・ミュージック・ファンの期待を集めるアーティストなわけだが、どうも力量に見合った活躍が出来ていないと感じているのはきっと私だけではないだろう。まずはL.L.C.のセカンド・アルバムを製作して欲しいなんて贅沢を言ってしまう私はKYだろうか。
by 国立駅前店 S氏
ロマンティック・バリトン度 ☆☆☆☆☆ | 大男の色気度 ☆☆☆☆☆ | 親方度 ☆☆☆☆☆ | L.L.C.のセカンドも何卒、宜しくお願い申し上げます。度 ☆☆☆☆☆
BIG JIM / COMMITMENT EPISODE 1 (AMR MUSIC)
16歳で伝説のグループ、III FRUM THA SOULを結成。2枚の傑作アルバムを残したもののグループは分裂。その後、グループでも異彩を放っていたバリトン・シンガー、BIG JIMが、'02年にPLATINUM SOUL RECORDSからソロ・シングル「LITTLE SISTER」でデビュー。そこに収められていたのはたった2曲だったが、その凄まじいバリトン声にソウル・ファンは感動したものでした。
そしてレーベルをかつてグループのファースト・アルバムでも制作に関わっていたANGERO RAYのAMR MUSICに移籍し、そのレーベル・コンピ「LO DOWN」('03年)に2曲(本アルバムの"Give Me You BacK"と"Commitment")参加。そこでさらにトラックの質も歌もパワーアップされ、俄然フル・アルバムへの期待が高まったところで抜群のタイミングでリリースされた03年作。
収録内容
1. Without Your Love
2. Big Man
3. Certainly Girl Feat. Ole-e
4. Bang, Bang, Bang
5. Do You Still Care
6. Do You Take Feat. Reba
7. Give Me You Back
8. Like Whatcha Doin'
9. That'll Be the Day
10. Commitment
11. Little Sister
12. Give Me You Back (Remix)
NY録音の今作、トラックのボトムが効いた黒いサウンドは現行R&Bサウンドでは味わえない濃厚な歌を引き立てる最上の音。そして何よりもBIG JIMの歌!! 現在R&Bシーンの中でもトップ・クラスの歌唱力。特にその魅力はスロー〜ミディアム・テンポにおいて存分に発揮され、上記のコンピ収録曲は元より全曲、素晴らしい出来栄え。冒頭のこれぞバリトンという懐深い歌を味わえるミディアム(1)、熱きソウルがほとばしるグレイトなスロー(5)が白眉。今でも語り継がれているインディ・ソウルの歴史的名盤であります。
...というわけで、発売当時のお恥ずかしい自身のコメントを若干修正、そして...
まさかのデッド・ストック発見!
AUDIO CDの在庫も残りあと僅か!? この名盤、最近、インディ・ソウルを聴きはじめた方々にもぜひ聴いて頂きたい、まさに屈指の名盤なのであります。
祝!発見度 ☆☆☆☆☆ | インディ・ソウル名作度 ☆☆☆☆☆ | もう5年も前なのですね...度 ☆☆☆☆☆ | 彼の現在の近況は!? 気になる度 ☆☆☆☆☆
DARIUS COLEMAN / I'M IN LOVE WITH YOU! (REGALITY RECORDS)
DARIUS COLEMAN、フィラデルフィアからの逸材がまた登場。しかし昨今のフィリー・スタイルのような革新性を前面に押し出したスタイルではなく、あくまでもメロディの美しさと、優しげでポップ・シーンをも視野に入れているであろうスタイル、少年の青臭さをも感じさせる声質は純R&Bリスナー以外にも受け入れられる可能性も大きい。アップ系はNE-YOばりに、極美メロなスロウは童顔氏あたりとの比較が一番適切であろうキャラクターは08年度の大きな話題になるであろう注目の作品だ。
収録内容
1. All I Need
2. Brand New Vibe
3. This Is My Prayer
4. My Greatest Treasure
5. You And Me
6. I'm In Love With You
7. Better 2 Me
8. Giving U My All
9. My Everything
10. Praise The Lord
11. The Heart Song
12. In The Silence
アルバムはそのひたすらにせつな系のメロディでリスナーを掴みにかかるアップからスタート。まさにNE-YOのファンには文句なしのキャラクターであることを、この時点で納得していただけるのでは。続く(2)のジャジーなメロディを取り入れたようなミッドでは作曲面での幅広い才能も感じさせてくれる。ジャジーと言えば(5)ではどジャズなスロウをも披露。このあたりはマーヴィンが初期にやっていたような事を目指したのだろうか。
その他のアップ系では(10)が秀逸。70年代のようなメロウ・サウンドとキャッチーなメロディは、フリー・ソウルのコンピに収録されてもおかしくない高質な楽曲。ストア・プレイにうってつけのナンバーだ。そしてもう一つの顔である美メロがずらりと並んだスロウ達。90年代の王道路線の(3)(6)(7)(9)、ややビートを効かせてシンプルかつ美しいコード進行を存分に沁み渡らせる(8)、そして童顔氏ばりのアコギを活かしたアレンジで爽やかかつ美しいハーモニーが光る(4)(11)、ほぼフリー・テンポで切々と歌い上げるラストの(12)等々。どれもが質の高く、このシンガーの才能を伺わせてくれる素晴らしいスロウ達だ。
まだ無名とも言える立場であろうが、アルバム・ジャケットに名前が見当たらないのは相当に珍しい事。裏を返せば過大な表現でアイ・キャッチをしなくても内容の素晴らしさでイケるとの判断したのではないだろうかとも勘ぐってしまう。
by 営業部S氏
フィラデルフィアの底力度 ☆☆☆☆☆ | よね&童顔氏美メロ路線度 ☆☆☆☆☆ | それもそのはずプロデューサーのDENNIS ATKINSON氏はL.A. REID氏と関係あり度 ☆☆☆☆☆ | お父上はこのお方度 ☆☆☆☆☆
GERALD ALSTON / SINGS SAM COOKE (LOVE SONG TOURING)
国内外問わず、ここ数年の音楽業界トレンドとも言える空前のカバー・ブームにとどめを刺すのはこのアルバムを置いて他にない、とはいささか言いすぎか?70年代から80年代にかけてはマンハッタンズのリード・ヴォーカリストとして「Kiss and Say Goodby」「Shinnin' Star」等のビッグ・ヒットでスウィート・ソウル界の隆盛を牽引、ソロ転向後もモータウンから良質のブラック・コンテンポラリー・アルバムをリリースし続け、世界中のソウル・ファンに一目置かれる存在であるジェラルド・アルストンが新たに取り組んだプロジェクトは、なんとアルバム収録曲すべてを、ソウル/R&Bに留まらずポップス・ミュージック史上唯一無二と言われる名シンガー、サム・クックの偉大な楽曲で固めるという大胆なもの、初インフォから早5年、ようやく到着いたしました。
喉に覚えのあるシンガーにとってメジャー、マイナー問わずアルバムやライヴでサム・クックの楽曲を取り上げるというのはもはや通過儀礼、度胸試し的なイベントに近くなっている様ですが、アルバム丸ごとサム・クック、というのはサム・フォロワーを自他共に認めるジェラルドだからこそ出来る荒業でしょう。ここ数年は盟友サックス奏者ジェラルド・アルブライトのアルバムへのゲスト参加、再加入したマンハッタンズのインディー・リリースなど、輝ける実績と衰えぬ実力からすれば多少物足りない活動状況でしたが、ソウル/R&Bシーンには珍しく、このアルバム製作に数年掛かりっきりだった様です。
収録内容
1. You Send Me
2. Sentimental Reasons
3. Only Sixteen
4. Wonderful World
5. Chain Gang
6. Cupid
7. Twistin' The Night Away
8. Bring It On Home To Me
9. Having A Party
10. A Change Is Gonna Come
11. Good Times
12. That's Where It's At
13. A Change Is Gonna Come (Live in Kansas City)
ジェラルドが強く影響を受けたサム・クック唄法と言えば、塩辛いシャウトとスムージーな節回しが矛盾なく同居し、さらに高音部からファルセット部分にかけては甘く鼻に抜けた声が柔らかく耳に残る、というテクニック的に非常に高度なものなのですが、多くのシンガーが影響を受け、その影響からオリジナルなスタイルを作り上げようともがく中、このアルバムでのジェラルドは実にさらりと、それでいて力強く「You Send Me」「Cupid」「A Change Is Gonna Come」等、歴史的名曲郡を料理して行きます。
数年前までのインディー・ソウル作品で良く聞かれた"歌は良いけどサウンドがね..."というご不満もこのアルバムには無縁です。ニュージャージー同郷のよしみかモーメンツ、レイ、グッドマン&ブラウンのアル・グッドマンが全面協力プロデュース、アレンジはビル・ウィザース、ウィル・ドゥニング、ブルー・マジック等数々の名アルバムに関わって来たトラヴィス・ミルナー、バック・ミュージシャンはジェラルド・アルブライト(sax.)、イバン・ブラウン(g.)他が参加、フォーク、ジャグ、ジャズ、マーチ等古き良きアメリカのサウンドを蘇らせながら、決して回顧主義に陥らない、スムーズで現代的なアコースティック・サウンドに再構築、楽曲とヴォーカルをバックアップしています。
このアルバムの良さが判らないならソウル/R&Bファンを名乗る資格なんかない、などと高飛車な事を言うつもりはさらさらありませんが、この企画、この歌、このサウンドに間違いなく叩きのめされる方々がここ日本には数多く存在するはずです。そしてそんな一人でいられた事に感謝したくなってしまう...そんなアルバムなのです。
by お茶の水店長 K氏(恩師)
祝!14年ぶりとなるソロ・アルバム度 ☆☆☆☆☆ | これぞソウル・ヴォーカル・アルバム度 ☆☆☆☆☆ | 苦節5年のリリース度 ☆☆☆☆☆ | マンハッタンズで来日との情報も!? このアルバムを聴いてさらに盛り上がること必至度 ☆☆☆☆☆
DIGITAL BLACK / THE AUTOBIOGRAPHY OF BENJAMIN BUSH (ELITE MUZIC)
時は90年代後半、ブラック・ミュージック・シーンを一変されたティンバランドとその一派たち。頭角を表したのは言わずもがなアリーヤのプロデュース諸作であるが、その同時期の98年にDEF JAMからティムとその一派によるプロデュースによりアルバム「CHEERS 2 U」でデビューし、今も一部より熱狂的なファンを持つR&Bトリオ、PLAYAのメンバーであるBLACK〜DIGITAL BLACKことBENJAMIN BUSHのセカンド・アルバム!
同じくPLAYAのメンバーで、昨今はプロデューサーとしての地位を確立、いよいよソロ・デビューを飾ろうとしていたSTATIC MAJORがつい先頃の2月に亡くなったばかり。そんな悲しみの中でリリース...というわけではなく、このアルバム、実は昨年の暮れには完成(CD-Rのみで発売)していたもの。一足先に「MEMOIRS OF A R&B THUG」(インディ・リリースながらJAZZY PHAの参加、そしてアリーヤの参加曲も収録)でソロ・デビューを果たし、セカンドである本作が発売、そしてSTATICがソロ・アルバムをリリース...と、PLAYA復活への兆しか!? と心躍らせていた中での悲劇。そして2人の心に永遠に刻まれたアリーヤの姿... そんな悲しみを包み込むかのような優しさと力強さに溢れた楽曲群、そして彼の歌声。様々な想いが本作には込められているよう。
収録内容
1. Intro - The Autobiography
2. Luv In My Mind
3. Call In
4. I Want U feat. B Simm
5. Breaks Me Down
6. Cut 2Night
7. Window Pane
8. After I
9. Dayz Of Our Livez feat. Rashon Vorner
10. Sometimes
11. Anything
12. Benefits
古くからの付き合いであるティンバランド一派のDARRYL PEARSONによる楽曲〜プロデュースと、自身の作曲〜プロデュースを中心に、MATHEW FEATHERSTONE、さらにはSTATICのペンによる楽曲も一曲収録。輝きを失わないあの頃のサウンドのまま。PLAYAの頃より得意としているスロウ〜ミディアム中心の楽曲群はとにかく心に染みる。STATICのペンによる(5)のスロウは哀愁漂うメロディ・ラインが涙を誘ったかと思えば、力強いヴォーカルで何かを誓っているような(3)など、美しいメロディ・ラインと歌声の一体感がアルバム全体を支配している。
人の一生に歴史があるように、その音楽にも歴史があるとするならば、このアルバムは彼、そしてPLAYAにとっての歴史的な一枚にほかならない。そしてそれを感じさせるような内容を誇る本作。すべてのR&Bファンに捧げられた本作、お聴き逃しなく!
美バラー度 ☆☆☆☆☆ | 祝!CDプレス度 ☆☆☆☆☆ | 彼にはいつまでも歌い続けて欲しい度 ☆☆☆☆☆
R.I.P. STATIC MAJOR
OMAR CUNNINGHAM / TIME SERVED (SOUL 1ST RECORDS)
彼のこれまでの作品中、最高傑作と評判だったサード・アルバムのリリースから約2年ぶりに届いた通算4枚目待望のニュー・アルバム。前作、前々作の2枚のアルバムはWILLIE CLAYTONや今は亡き晩年のTYRONE DAVISといった大物シンガーも在籍していたENDZONE RECORDSからのリリース。ジョージア州アトランタに拠を構えるこのレーベルは、クラシック・ソウルの伝統を消化し、新たにコンテンポラリーな感覚で作品を生み出すことが出来るということで無数に存在するマイナー・レーベルの中でも最高峰と位置付けて良いだろう。先に述べたサード・アルバムはそのレーベルの意向と彼の音楽性との相性の良さから生まれた産物だったといえる。
ところが、本作では前述した古巣のENDZONEを離れ、更にマイナーのSOUL 1ST RECORDSに移籍している。前作に対する世間の反応は上々だっただけにこのことには正直驚いたが。アルバムの出来は良い意味でラフになっていて作風が前作よりも伸び伸びしているように感じる。何かレーベルとのトラブルがあったのかもしれない。真相は知る由も無いが。
さて、このSOUL 1ST RECORDSなるレーベルはアラバマ州バーミンガムというサザン・ソウル・ファンにとっては聖地のひとつといえる土地から細々と新録をリリースしているマイナー・レーベル。このレーベル、実は過去に一部の熱心なインディ・ソウル・ファンの間で話題になったDAYBREAKK!という歌えるグループが「LIFE, LOVE & MONEY」というアルバムをリリースしたことで知られる。驚くべきことにそのDAY BREAKK!が本作の9曲目の"The Right Woman"にゲスト参加しているのも本作の注目すべき点といえるだろう。
また前作がENDZONEの意向による超高密度なコンテンポラリー・サウンドで圧倒された方も多いとは思うが、ここでは彼のハウス・バンドを従えての録音ということで前作よりも生音ですっきり制作されている。シングル・カットされた"My Life"はじめこの作品全体の雰囲気、歌唱においても非常にリラックスしていて余裕を感じる。決して上手いシンガーではないのだが、そこを補える何かを彼がもっているのも確かだ。彼の作り出す楽曲の良さも特筆すべき点で、本作でも語りを入れる構成も含めて本作でもテンポのある曲からバラードまで捨て曲は一切無い。
彼は現在38歳。ローカルなソウル・ブルース・チャートで作品をリリースすれば1位を獲得できる人気、実力を兼ね備えたシンガーとして認知されていて、またAIR JAMAICA JAZZ AND BLUES FESTIVALでBOBBY WOMACK、ALICIA KEYS、INDIA ARIE、NANCY WILSON、KENNY ROGERS、MICHAEL MCDONALD、CASSANDRA WILSONといった有名アーティストと共演する機会があり、その中でグラミー賞を受けていないのは彼だけだったという笑い話があるが、周囲の彼に対する期待の大きさが窺える逸話だ。
今回のように好きなアーティストのレーベル移籍があると今後の活動が心配になるのがファンとしての正直な気持ち。しかし、これだけの作品を制作できるのだから、彼の友人であるVICK ALLENや若手のFLOYD TAYLORなどと凌ぎを削ることが出来る逸材として今後もシーンの一線で活躍し続けてくれることを願って止まない。
収録内容
1. Intro
2. Thats My Jam
3. My Life
4. By My Side
5. This Old Music
6. Skit
7. Ain't Nothing Changed
8. The Saga Continues
9. The Right Woman
10. The Same Soap
11. Check To Check 2008
12. If You Want Me
13. Could You Be
14. The Beauty Shop
15. Where Would I Be
by 国立駅前店 S氏
サザン界期待の星度 ☆☆☆☆☆ | 生で観ましたがやはり上手い度 ☆☆☆☆☆ | DAYBREAKK!さんたち、お元気ですか?度 ☆☆☆☆☆ | 南部チトリン度 ☆☆☆☆☆
BLAK ICE / NEXT TO YOU (BLACK CAT RECORDS)
サザン・ソウルの聖地として現在でも圧倒的な存在感を誇るメンフィスのロイヤル・スタジオ。ご存じWILLIE MITCHELLの所有する名スタジオで録音されたBLAK ICEなる4人組の新作だが、危なく単なる無名グループの作品としてスルーするところでした!ウェスト・コースト出身、「へそダイヤ」と「唇氷」のジャケットが忘れられないMONTAGE盤で有名なあのBLACK ICEのニュー・アルバムなのであります!
スペルもBLACKからBLAKに、以前は5人いたメンバーも一人減り...と時代とともにかなりの変化をしていますが、中身は正真正銘の本格作。スウィート・グループとして定評のあった彼らですが、本作では録音場所からもお察しのとおりどっしりとした南部風のブルージーなナンバーを中心に、そして時代性を無視しつつ本物のソウル・グループとしての実力のほどをたっぷりと聴かせてくれています。
収録内容
1. Next To You
2. Please, Don't Go
3. I'm Tired
4. 2 Women
5. Friday Nite
6. Stalker
7. Sprung
8. Don't Play With My Love
9. Make Love To Me
10. Full Time Woman
11. Conversation Of A Pimp
12. Chicken Head
13. I'm Tired (Radio Mix)
14. Stalker (Instrumental Body Snatcher Mix)
15. Don't Play With My Love (Instrumental)
重厚かつ大人の余裕をふんだんに感じさせてくれるミッド・ナンバーを前半からズラリと並べ、抑え所で十八番のスロウを使用。往年のソウル・リスナーだけではなく、グループ物の入門者にもぜひ耳にしておいてもらいたい作品と言えるでしょう。
(2)のブルージーなナンバーはどこかO'JAYSの"SUNSHINE"を思い起こさせる曲。(5)のミッドはAL GREEN全盛期を思い起こさせる雰囲気満点のミッド。この曲のリズムは打ち込み、ホーンはシンセ代用と一聴するとチープに聴こえてしまうかもしれませんが、そのリズムの重さ、ホーン・アレンジは紛れもなくロイヤル・スタジオでの録音であることを証明してくれるアルバムのハイライトと言えそうなナンバーです。
(9)はトロトロとまでは言えないまでも往年のスウィートさをふんだんに散りばめた好スロウ。このような随所に聴き所を抑えた好制作ぶりはメンバー自身がやっているようですが、PAPA WILLIE(WILLIE MICHELL)と息子のARCHIE MITCHELL両名のエンジニアとして貢献度も大きいと思われます。
まさしくいぶし銀のごとく光るアルバムとして、派手さはありませんが08年のインディの隠れた名盤候補として後世に残る可能性も大、これは見逃せません!
by 営業部S氏
祝!復活度 ☆☆☆☆☆ | ウェスト・コーストからメンフィスへ度 ☆☆☆☆☆ | やはり素晴らしいバラード群度 ☆☆☆☆☆ | MONTAGE盤CD化切望!お願いしますUNIDISCさん度 ☆☆☆☆☆
ONYX1 FEATURING TERRENCE FORSYTHE / RIGHT NOW (N2L RECORDS)
このグループ名にピンときた方、正解!シングル・オンリー・グループ泪の復活!
70年代に20代だった若者たちも、今や齢50。70年代に輝いたソウル・ヴォーカル・グループ達が今、まさにその世代なわけでありますが、そんな酸いも甘いも知り尽くした男達だけに歌える歌がある。そんなことをふと思ってしまう昨今の往年のソウル・ヴォーカル・グループの復活作品群。WHISPERS、PERSUADERS、BAR-KAYS、POWERなど、ここ数年で数多くの復活アルバムがリリースされたが、その内容はどれも素晴らしいものであった。
そして今回ご紹介するのもそんな往年のヴォーカル・グループの復活作品。しかも70年代にはあまり知られることのなかったマイナー・グループの復活であります。彼らの名はONYX(同名ヒップ・ホップ・グループへの配慮により現在はONYX1と名乗っている。)!70年代にシングル2枚のみのリリース、ローカルな活動を続けてきた彼らの結成から30年近く経過してのようやくのアルバム・リリースということになるんです!こんなことがあるなんて...驚き!
LUV N' HAIGHTよりリリースされた60〜70年代の西海岸〜ベイ・エリアのレア・ファンク音源を集めたコンピレーション「BAY AREA FUNK」(LHCD043)に前述のシングル"Break It Loose"が収録され、ファンク・サイドからの支持を受け、今でこそ知られる存在となった彼ら。そのシングルでも聴くことができるソウルフルなコーラス・ワーク〜ハーモニー。今回の復帰作でもその見事なコーラス・ワークは健在だ。
そしてヴォーカル・グループで欠かせないのが絶対的なリード・ヴォーカルの存在。オリジナル・メンバーのWENDELL & AARON BASEY、MALVIN SCOTTの醸し出すオールド・スタイルなコーラス・ワークをバックに、素晴らしい歌声を聴かせるリード・ヴォーカル、TERRENCE FORSYTHE。
彼はデトロイト出身で、そもそもは彼をサポートする形でグループが参加。そしてアルバム・リリースへと至ったわけであります。ゴスペル出身であることが一聴してわかるほどの大らかでスケールの大きい歌。シャウトから節回しまでまさにソウルフル!
収録内容
1. It's Time For Love
2. When You Weren't Looking
3. Right Now
4. Spellbound
5. Mine All Mine
6. You Never Fail To Amaze Me
7. But I Do
8. One Day At A Time
9. Thatz Enough
10. Give A Little
11. Mine All Mine (Remix)
12. Thatz Enough (Sax Rendition)
スムースでアーバン・タッチなバック・サウンドも、彼らの歌をベストな形でサポート。思わず70年代へタイムスリップしてしまいそうなほどのモダン・ソウル・ナンバー(6)を筆頭に、(4)などのミッドの出来が良いのもさることながら、やはりヴォーカル・グループといえば期待してしまうのがスロウ・ナンバーでしょう。冒頭の語りからして間違いのない、もはや名曲の粋の(8)をベストに、(1)(2)(5)(7)(9)(10)と、怒涛のスロウ・ナンバーを披露!
彼らのようなマイナー・グループが今も数多く活躍しているローカル・シーン。ソウルの心、ここにあり。と強く感じさせる名作。この心が継承されてゆくことを切に願いつつ。
* 写真は現在のメムバー写真です。
祝!復活度 ☆☆☆☆☆ | 実は昨年暮れに発売されていました(恥)度 ☆☆☆☆☆ | 稀有のリード・ヴォーカルの存在度 ☆☆☆☆☆ | グループ円熟の極み度 ☆☆☆☆☆
J BANKS / DOIN IT MY WAY (BLACNOTE)
いかついルックスとは正反対のデリケートなテナー・ヴォイスとスムースでテンダー、メランコリックな楽曲が魅力のオークランド出身、J BANKSことJAMIE BANKSTONのデビュー・アルバム!
土地柄からかウェッサイ的なアプローチで前半は迫るが(4)の超極上スロウからこのシンガーの本領が発揮され始める。(6)(7)とさらに強力で美メロなスロウが繰り出される頃には既に濡れゝな世界が繰り広げられ、ソング・ライティングの才能も只者ではないことをアピール。コーラス・アレンジの妙も随所で聴かれるが、キャリアのスタートは「SHADOW」なるグループだったと言う事からそのあたりも納得だ。
声色は現代のスター達、NE-YO等の路線だがそれらのキャラクターよりもはるかに男性的な匂いを感じさせてくれることから、JOEあたりを好むリスナーへのアピールも可能だろう。スロウでは(9)(10)もかなりの出来栄え。要所で挟まれているミッド〜アップ系もそのややかすれたテナーをうまく活かしたアレンジ、楽曲でアルバム全体の進行をピリッと引き締めるのに大いに役立っている。
既にトニーズやデバージ一家の前座経験もあり。プロデュースはDR.DREの名前がクレジットされていて、メロウ色強いウェッサイ系の音といった点でも文句なしの人選である。(SNOOPの新作にも客演したラッパー、MISTAH FABも参加!)多方面からの指示が期待できる新人としてぜひ売り出していただきたいキャラクターである。
収録内容
1. With You
2. What It Do feat. Turf Talk
3. Touch It feat. Kaz Kyzah
4. Because of You
5. Come Here
6. He Cant Love You
7. Where Do We Go From Here
8. I'll Make It Right feat. Mistah Fab
9. I Love You Girl
10. All Of The Things (I Miss It)
11. I'll Try Anything
by 営業部S氏
歌声なめらか美メロ度 ☆☆☆☆☆ | 外見とお友達は怖い度 ☆☆☆☆☆ | ミッド〜テナーでズブ濡れ度 ☆☆☆☆☆ | 男性ソロ隆盛2008度 ☆☆☆☆☆
GENERAL VEE / SALUTE (HOT WAX 1)
本人曰くのキャッチ・フレーズはまったく新しい次元のヒップ・ホップ・ソウルとのこと。たしかに出だしの数曲で積極的なヒップ・ホップ路線を強調してくれているが、アルバムが進むにつれて徐々にクラシカルな面が目立ってくる。しかし、それはGENERAL VEEのソウル・シンガーとしての実力の裏返しであり、歌物アルバムとして十二分な内容があることを知らせてくれている。
そんな中アルバム中盤に登場するスタンダード・ソング"Rainy Night In Georgia"のリフを巧みに使用した(6)のミッド・ナンバー。ここで聴かれる歌唱はソウル・シンガー以外何物でもない力強さが宿っており、現在ではJAHEIMやANTHONY HAMILTONのみが許されているであろう正統派ソウルからR&Bへの伝承者としての存在に近いものを感じさせてくれる1曲だ(そういえば声質はANTHONY HAMILTONにどことなく似ている)。
しかし、本人の志向はあくまで多方面に向いた部分が多いようで。その後続くヒップ・ホップ〜R&B路線の中、(8)のフューチャリング・シンガーとしてクレジットになんとBOBBY BROWNの名前が!(だがあの独特のハイ・トーンは確認することができず。どうやら別人?)。
その後も女性ラッパーと絡みながら熱いフェイクからファルセットまで披露する(10)、ピアノの美しいバッキングと真摯な歌唱が聴くものすべての胸に響くであろう(12)などやはりシンガーとして焦点を当てたくなる楽曲を中心に進行していく。アルバム全体としてのまとまりは正直もう一つというところかもしれないが、このシンガーの実力は確かなもの。今後のプロダクション次第では化ける可能性があるだけにチェックは怠れない存在である。
収録内容
1. Intro
2. Back On The Block
3. Get Up
4. Lonely 2Nite
5. Take It Back
6. I Will Make It
7. Baby Girl
8. Take It To The Floor
9. Slip N Slide
10. Yo Body
11. Do You
12. I Apologise
13. Dedication
14. Nothing Compares
by 営業部S氏
サグ度 ☆☆☆☆ | 実は正統派のソウル・シンガー度 ☆☆☆☆☆ | ボビ男!?度 ☆☆ | 今後も要チェックな逸材度 ☆☆☆☆☆
BRANDON HINES / LOVE MUSIC... FALLING IN, FALLING OUT (HEAVY WAIT)
滑らかなバリトン気味の声を持つ若手は意外と少ないが、久々に登場した期待の新人だ。2005年に完全な自主制作作品をリリース、特に目立った営業活動をしたわけでも無かったのに7,000枚のセールスを記録。その頃からメジャー方面にも注目されはじめ、高名なプロデューサーたちによる会議(?)でもその有望さが話題になったということ。そしてTREY SONGZとの仕事も経験、その他様々なアーティストとの共演というステップを踏んでこのアルバム・リリースとなった次第である。
叙情的な数々のスロウ、クラシカルな表情も見せるアップ系、そして何より真摯で真正面からアピールしてくる歌唱スタイル。なるほど、各方面から評価されてしかるべき内容が目一杯つまっている。特に中盤以降にがっちり固められたスロウは、この新人の実力を語るにはもってこいの楽曲達。
Track List
1. Falling In (Intro)
2. Lipstik
3. Stop & Go feat. M.Klean
4. Caught Feelings
5. Here I Am
6. What Do I Have To Do?
7. We need We feat. Prafit
8. Fantasies
9. Sex Message feat. M.Klean
10. How Do U Want Me?
11. Overdose
12. Ur Man,y Friend
13. Time To Let U Kno feat. J-Feez
14. Fallimg Out (Interlude)
15. When It Rains
16. Where Did U Go?
17. Demon
18. Overdose (Remix) feat. Rachel Robinson
19. Way of Life feat. Esh "Da Hitmaker"
90年代R&B路線そのままの美メロ・ソング(5)(8)(10)(11)(16)あたりがハイライトとして挙げられるが、単なるスウィートな味わいだけではなく、一本芯の通った印象を与えてくれるのはその歌力以外何物でもないだろう。随所で聴かれるフェイクも堂に入ったもの。力強さと滑らかさを融合させ、繊細さと豪快さを併せ持った稀有な新人BRANDON HINES。期待の日本初流通です。
by 営業部S氏
インディ作にして7,000枚の全米の脅威度 ☆☆☆☆☆ | 往年のR&Bスタイル度 ☆☆☆☆☆ | インディ→メジャーへステップ・アップなるか!?度 ☆☆☆☆☆ | 男性ソロ隆盛2008度 ☆☆☆☆☆
LEONARD JULIEN III / REFLECTIONS OF SOUL (LOVE HIJACKER/MODESTE RECORDS)
皆さま大変長らくお待たせいたしました!昨年暮れにU.S.サイトにて紹介され、ソウル・ファンの間で話題騒然となっていたシンガー、LEONARD JULIEN IIIのデビュー・アルバムにしてインディ・ソウル傑作「REFLECTIONS OF SOUL」が通常CDプレス盤での入荷が実現いたします!本当にお待たせいたしました!
話題となるも、CD-R盤のみのプレスだったこの作品。いい作品こそ、いい音、いい形で後世に残したい。こんな名盤がCD-Rでしか存在しないなんて悲しすぎますものね。これで数年後にも語られるべきインディ・ソウル名盤の仲間入りを果たしてくれることでしょう。感無量であります。
収録内容
1. I Wanna Get Close to You
2. I Can't Believe
3. And I Love You
4. The Love I Let Slip Away
5. Since the Day I Met You
6. Never Give You Up
7. Just Because
8. This Time It's Real
9. What She Don't Know
10. You're Gonna Miss Me
様々な交渉の課程で判明していった彼の経歴。実はあのTEMPTATIONSのOTIS WILLIAMSにその実力を認められて、映画「THE TEMPTATIONS ゲット・レディ! 栄光のテンプテーションズ」のDAVID RUFFINの吹き替え部分を歌っているのだそうです。いやぁ、驚きました。詳しくは発売商品に添付させて頂いております鈴木啓志氏による解説をご覧頂くといたしまして。
ここではまずはこのCDプレス盤(国内帯・解説付き輸入盤)の発売を企画、進行いたしました国立駅前店ヤング・ディープS氏によるレビューをご覧下さいませ!
〜古くはピーボ・ブライソンのために用意された楽曲のデモを吹き込む仕事や近年ではミリー・ジャクソン、アウトキャストのサポートなど、ジョージア州アトランタを拠点に活動する知られざる実力派シンガー。当初、この作品は自主制作のCD-Rでしか配給されておらず一部のファンの間でのみ話題になっていたが遂にオーディオCDとして登場。
歴代のソウル・シンガーを彷彿させる自然体の歌とコンテンポラリーな楽曲との相性も良く、ジェリー・バトラーのカヴァー"Never Give You Up"の解釈も秀逸。ソウルをこよなく愛する日本のリスナーにこそ胸を張ってお薦め出来る傑作です。〜
さぁ、発売まであと僅か!このインディ・ソウル傑作を心してお待ち下さいませ!
祝!CDプレス度 ☆☆☆☆☆ | インディソウル列伝 No.157度 ☆☆☆☆☆ | 名盤度 ☆☆☆☆☆ | 解説もお楽しみに度 ☆☆☆☆☆
RODNEY WILKERSON / SERIOUS (PLAYTYME)
ソウル・ファンの聖地、アラバマから期待の新人R&Bシンガーの登場です。その名はRODNEY WILKERSON。前歴はあの「AMERICAN IDOL」が云々(出場しているかは現段階では未確認)とのことですが、まったくの無名の新人といっても過言ではないでしょう。しかし、これが股、上手いのなんの!
ファルセットを交えつつのテナー・スタイル。時に熱く、時に可憐に。その歌唱力は相当なもの。しかも楽曲〜サウンドを手掛けるのがINTROなどで90年代に名を馳せた策士、EDDIE F.率いるTHE UNTOUCHABLESの面々であるというのですから!思い出さずにはいられないR&B黄金期90'S!
収録内容
1. All the Above
2. I'm Real
3. Ooh Wee Golly
4. Love the Pain Away
5. Find Out
6. Who Am I Foolin
7. Should Have Stayed at Home
8. Serious
9. Banging Heads
10. Feeling Freaky
11. Dream Of You
12. Call On Me
13. Ooh We Golly (Remix)
かなり歌い上げるタイプなのでやはりスロウ〜ミディアムの楽曲で映える歌声。美メロ・チューンの連続に悶絶必至。真骨頂スロウ先行シングル(3)の素晴らしさ、(4)の中盤に登場する神憑り的なファルセット、メロウ・ミッド(5)、スケールの大きなメロディアスなバラード(7)... 書きはじめたらきりがないほどの好曲揃い!
リリースはインディながらU.S.大手流通にのっているということは、全米でもかなりの売れ行きをみせているはず。こんなシンガーが突如現れるんですから、インディR&Bはやめられません。
・RODNEY WILKERSON myspace
インディ傑作認定度 ☆☆☆☆☆ | 歌唱力度 ☆☆☆☆☆ | 美メロ度 ☆☆☆☆☆ | 恐るべき新人登場度 ☆☆☆☆☆
KIPPER JONES / K.I.P.(KEEP IT PUSHIN!) (FAMILY EVERYTHING)
ブラック・ミュージック・レビュー(BMR)誌にてご紹介されたまさかの18年ぶりとなるKIPPER JONESの復帰作「K.I.P」。しかし、これが股、泣けてしまいそうなほどにチープなカラーコピー&CDラベル印刷もない代物でして...これにはさすがに愕然とすると同時に、これは何とかしたいなぁ〜、という思いが心を揺さぶった。
TEASEの一員としての名唱、そしてソロ作「ORDINARY STORY」での華々しい歌声。そんな彼の18年もの月日を経た奇跡の新作をCD-Rで流通するなんて寂しすぎる。"その音だけがすべて"とは私は思えない。パッケージあっての作品であると思うし、その物に対する想いが、アーティスト、シンガーへの想いへと繋がる唯一の形であると思っている。
もちろんCD-Rでも想いをよせることはできるとは思いますが、やっぱりちゃんとした形で欲しい。欲張りなのかもしれませんが、後世に語り継ぐべく、立派な作品で残してゆきたい。
そんなワケでして現在、レーベルとAIDIO CDでのプレスを交渉中です。話がまとまるかどうかわかりませんが、ぜひともAUDIO CDプレス盤にて彼のこの新作を流通すべく、尽力いたして参ります。
収録内容
1. Hey You!
2. Put The Music Back In Love
3. Honey
4. Better
5. Sit Down
6. Lose To Gain
7. The Missing Piece
8. In Her Presence
9. Summer Days
10. Podna' (Pt.1)
11. Good Time
前述BMRでもご紹介されておりましたとおり注目は何と言ってもあのOHIO PLAYERSのカヴァー(3)のソウルフル・バラードでしょう。もう、文句なし。70'Sファンクへの愛情、ソウル・ミュージックへの愛に満ち溢れた名演!あの太くて力強い歌声も健在!
他にも元PLAYAの DIGITAL BLACK の新作、さらには苦節2年間の交渉にもめげず説得中のあのJEFF REDD(!)の設立した新レーベルSOL REAL RECORDSの作品、そしてインディ・ソウル界が騒然となるであろう驚愕の新人、LEONARD JULIEN IIIのデビュー作など、CD-R作品のままでは泪チョチョ切れちゃうような傑作たちのAUDIO CDに向けて交渉中です。
進捗状況はこちらのブログにてお伝えいたして参ります。乞うご期待!
18年ぶりの奇跡度 ☆☆☆☆☆ | 実は数年前から地元での活躍には目を付けておりました度 ☆☆☆☆ | 名唱"HONEY"は凄い度 ☆☆☆☆☆ | 名作はやはりCDで語り継ぎたい度 ☆☆☆☆☆
K'JON / THE BALLROOM XPLOSION (UP&UP)
1年ほど前のデビュー・アルバム「THIS IS ME」リリース時から多くのインディ・ファンがその才能を認めていたシンガーK'JON。決してとことん聴かせるタイプではないが、ふくよかで男性的なキャラクターはテディ・ペンのような世界を期待させるシンガーとしてその後の活躍を十分予感させてくれていた。そしてはやくも届いた2枚目「THE BALLROOM EXPLOSION」。
前作ではデビュー作と言う事もあってか、ネオ系の色があったりヒップホップもかじってみたり等、全編に気合いが入りまくっていたが、このセカンドでは自らのキャラクターを自覚してくれた(?)ようで、歌物アルバム以外何物でもない内容となっている。
1. 2Nite (It's On)
2. Good Times
3. Caught Up
4. Ocean (Interlude)
5. On The Ocean
6. Feels Like Love
7. Baby Baby Intro feat. Tyrone The Godfather Bradley
8. Baby Baby feat. CoCo & The Takeover Band
9. Dancing Shoes
10. Boogie Woogie
11. Street Life feat. Stretch Money
12. Whatever I Want 2 introducing Leah Jones and P.A.
13. We All One We All Win feat. Kori Blake and Gator
14. Game (Interlude)
15. Angry Woman
16. Chill feat. The Takeover Band
17. Say Yes (The Wedding Dedication)
18. Prettiest Face feat. The Takeover Band
心地よいテンポのミッド〜アップが中心になっているが、今風のステッパーズと呼ぶよりは正に70年代のメロウ系、そう前作でカヴァーしていたマーヴィンの"COME GET TO THIS"の路線をさらに推し進めたという言い方が正しいのではないだろうか。このセンを行ってくれたことを歓迎するリスナーは大勢いるだろう。
地元デトロイトのラジオ局で長らくNo.1に輝いている(5)を中心に前半はそのようなミッド系が並んでいる。ラジオDJの導きから滑らかにスタートするオープニング(1)、マイケルを拝借した(6)など注目曲が目白押しである。R.ケリー的な(9)も面白い雰囲気だ。後半は濃厚スロウでクロージングに向かっていく。ハイライトはやはりロナルド・アイズレーになりきった(16)あたりか。(17)(18)もメロディの美しさは完璧だ。
いずれにせよ前作より一廻りも二廻りもシンガーとして成長した感もある今作。前作で感じた期待感は間違いなかったようで、大物の予感さえ漂ってきている。ブレイク寸前のこのセカンド、見逃しはできない新作だ。
By 営業部 S氏
レーベルとの交渉によりCDプレスが決定いたしました。当社への最初の入荷品はCD-Rだったのですが、もしかして最初からCD盤が出ていた??? 意外にもスンナリ話が進んだので... 何はともあれ、祝!セカンド・リリース!
・K'JON myspace
美メロウ度 ☆☆☆☆☆ | トロけるような変幻自在の歌声に泥酔度 ☆☆☆☆☆ | 色男度 ☆☆☆☆☆ | やっぱり名盤はAUDIO CDで所有したい度 ☆☆☆☆☆
G. WOMACK / G. WOMACK (UNDER THE INFLUENCE)
G. WOMACK / A LIL' SUM (UNDER THE INFLUENCE)
そして英SOUL VIBE RECORDINGSのコンピレーション「SOULVIBE」へ楽曲収録、さらに「OVALOOK THE SINGLE」への参加、数々のプロデューサーとしての仕事等々... そしてついに本人のアルバムの情報が出回りはじめたのが04〜05年頃。オークション(鬼のような高値で取引されておりました)や熱心なインディR&Bファンを通じてネット上で紹介されはじめた。謎に包まれつつ、その作品への評価が一人歩きし、大きな話題となっていたG. WOMACK の2作品がついに入荷実現いたします!
フル・アルバムの04年作「G. WOMACK」、そしてミニ・アルバム「A LIL' SUM」。発売当初はほぼ地元販売のみだったのだろう。ここ日本での評価、期待の高さとは裏腹にまったく日本へは流通しなかった。(その情報すら出回らなかったような状態)そんな彼がついに自身のホームページを立ち上げ、ついにシーンへ...いやぁ、長かったです。募りに募った彼への想いを回想しながら、アルバムを聴く瞬間がついに訪れたのです。
・G. WOMACK / G. WOMACK *写真
1. Welcome
2. She Always There
3. Enjoy Yourself
4. Brand New
5. Groove Wit You
6. Words (Interlude)
7. Those 3 Words
8. Pure
9. Me Speak Ho
10. You Don't Leave Me
11. Hold It Down
12. Sweetest Joy
13. Church (Interlude)
14. Just Ain't Right
15. Groove Wit You (Contemporary Remix)
・G. WOMACK / A LIL' SUM
1. Groove Wit You (Remix) - Feat. Mike Jones & Big Tigger
2. Again
3. Hott - Feat. Straight Up
4. What Are We Gonna Do?
5. She's Always There Pt. 2
6. The Way
私...実は彼のことをずっとテキサスのシンガーだと思い込んでおりましたが、全然違いました(猛省)。NY生まれ、ウィスコンシン州のミルウォーキー(シカゴのちょっと北)で育った彼。男の色気を感じさせるテナー〜ファルセット・ヴォイス。艶やかでいて、力強い歌声。
そして彼のサウンド・メイカーとしての高い評価も忘れてはならないでしょう。彼自身の手掛ける楽曲群、サウンドの完成度の高さ。古きよき90年代初頭のR&B〜ヒップホップのサウンドを下敷きに、メロウさ、美メロさを強調したその楽曲群は、日本のインディR&Bファンが求めているものそのもの。現行のR&Bシーンでは探すことのできない、当時のブラック・ミュージックの持っていた熱い想いに満ち溢れている。
こうしてようやく流通できることを心から感謝しつつ... 完成間近の新作への期待も込めつつ!
・G. WOMACK myspace
・G. WOMACK HP
祝!流通度 ☆☆☆☆☆ | 流れるようなトラックとメロウなメロディ、そしてテナー・ヴォイスの妙味度 ☆☆☆☆☆ | その全貌、ついに明らかに度 ☆☆☆☆☆ | 新作ではより一層の進化が!期待度 ☆☆☆☆☆