WENDELL B. / TIME TO RELAX... LOVE, LIFE & RELATIONSHIP (SMOOTHWAY MUSIC)
今やあの伝説のグループ、L.L.C.の世に送り出した男という肩書き抜きにしても、確かな歌唱力と作り出す楽曲のクオリティからR&B〜インディ・ソウル・ファンに絶大な人気を誇るWENDELL B.ことWENDELL BROWN。前作のフル・アルバム「GOOD TIMES」収録の"Heaven Sent Me An Angel"をはじめとする楽曲は小ヒットを記録し、彼の音楽活動も勢いづくかと思われたが、前作、前々作と続いた2作はクリスマス・アルバム。ということで本作はWENDELLファンにとって待望の新作(フル・アルバム)といえよう。
前述したL.L.C.のアルバムはアトランタで製作されたようだが、彼は現在セントルイスに腰を落ち着けて音楽活動をしているようだ。さて、ようやく届いた本作の内容だがアルバムの構成が非常に凝った作りになっている。というのもWENDELL関係者(マネージャー、CUZZO MUSIC GROUP担当者、CD BABY担当者)のインタビュー、また彼がアメリカ南部について思うところをインタビューとして挿入しているという按配。彼のホームページを見るとアメリカ南部を襲った大型台風のカトリーナ被害に対する救済活動(被害者を励ますために2006年にクリスマス・シングル製作ほか)も行っているという人情深い一面も持つ。
こうした活動からも出身の南部を誇りに思い、今も活動の拠点にしているという彼のこだわりが感じられる。こうした歌が入っていない楽曲が23曲中9曲収録されているが、歌入りの楽曲も相変わらずの濃度でスムース、ロマンティックでありながら変にいやらしくはならないのは彼の作り出す楽曲の特徴といえる。
収録内容
1. Intro
2. It's On
3. Judy Jones (Wen's Manager)
4. Bounce
5. She Didn't Have To Hurt Ya Boy Like That
6. T-Bone (Wen's Road Manager)
7. Somebody Loves Me True
8. DJ T-Man
9. Get Up Early In The Morning
10. Loretta (Wen's Cuz)
11. This Ain't Livin'
12. A Tribute To Our Past Balladeers
13. I'm Leavin'...
14. Big T (Wen's Security)
15. Is It Over?
16. Keep It Real
17. Ben "Nax" (Wen's Pot'na)
18. Step feat. Diggy
19. Back Ta That feat. Sheneatha Frison
20. The Interview with Cathy B (On Air-Personality WDLT 98.3)
21. Judy on Wen's Back
22. Nick at CD Baby
23. "Q" From Down South (Wen's Cuz)
タイトルにもあるようにリラックスして聞ける雰囲気を重視して8割がバラードだが、前作に引き続きラッパーのDIGGYをフィーチャーした"STEP"は気持ちの良いミディアム・テンポのステッパー系の楽曲。またバラードの中ではイントロからアコースティック・ピアノの旋律がセンチメンタルな雰囲気を演出する"Somebody Loves Me True"が出色の出来。甘茶ソウル三原則の「甘く、せつなく、やるせなく」が思わず脳裏に浮かんでしまう絶品の官能的なスロー・バラードだ。
脱線するが先日、某ブラック・ミュージック誌の編集者様と打ち合わせした際にこのWELDELLの話になり、彼の体のデカさと周辺の音楽事情について熱く語り合ったことが記憶に新しい。それだけ我々ブラック・ミュージック・ファンの期待を集めるアーティストなわけだが、どうも力量に見合った活躍が出来ていないと感じているのはきっと私だけではないだろう。まずはL.L.C.のセカンド・アルバムを製作して欲しいなんて贅沢を言ってしまう私はKYだろうか。
by 国立駅前店 S氏
ロマンティック・バリトン度 ☆☆☆☆☆ | 大男の色気度 ☆☆☆☆☆ | 親方度 ☆☆☆☆☆ | L.L.C.のセカンドも何卒、宜しくお願い申し上げます。度 ☆☆☆☆☆