SUPER FUJI DISCS制作メモ(日本)金野記

日々の日記です

 
 

加藤和彦/ボレロカリフォルニア

2009-02-09

10571.jpg  ミカ・バンドの『天晴』をやっと買った。20年。1989年、レコード屋で働き始めたばかりの頃だから、この年は良く覚えている。『天晴』は、大量平積みでこうやって売るということを初めて教わったCDだ。店内ヘビロテはさすがに辛く「またテンセーかよ」と『ミカ・バンドBOX』を買った。おれは他に成り手のないワールドミュージック担当で、前年のマーチン・デニー・ブームもあり、井出靖監修『クワイエット・ナイツ・クワイエット・ストーム』をよく売った。ローリンド・アルメイダ、レイ・テラスなどなど、ジャケはジャッキー・グリーソンのそれ、50年代キャピトルいい時代、コンピの鏡みたいなCDだ。
 さて、加藤和彦ソロ・キャリアの中で『マルタの鷹』の次に見過ごされていた今のところ最新(18年前!)アルバム『ボレロ・カリフォルニア』がリマスタリング紙ジャケ再発です。
 打ち込みの『マルタ』『天晴』とはうって変わって、1991年にわざわざ全てナマ録音。アレンジ全部ニック・デ・カロ、だから『イタリアン・グラフィティ』名コンビのアル・シュミットがエンジニアでL.A.キャピトル・スタジオでの録音(前段に係る、うまい)、だから、フェイク・ラテン〜ラテン・フレイヴァ〜アメリカを通したラテン、が本作です。
 本年1月、オノセイゲン氏がリマスタリングを施しての再発売、発売時を知る方もぜひ改めて聴いていただければ、また、ニック・デ・カロやアル・シュミットのことその他、加藤氏ご本人より伺った話を本CDライナーに付しましたので併せて楽しんでいただけると幸いです。
 本インタビューを行なった昨12月23日、続けて夜は、氏の継承者たる三沢洋紀率いるニュー・バンド、LETTERのライブがあり、いい1日だった。NOテーマでNOコンセプト、いい歌だけの加藤和彦ソロNEWアルバムを早く聴きたいと思う。



Posted by kaneno at 10:18:06 │その他

加藤和彦/マルタの鷹

2009-02-05

10559.jpg  加藤和彦の新しいバンド、ビタミンQの初ライブ、2月3日、行きました、フィーチャリングANZA。人いっぱいの渋谷AXロビーは実に華やか、喫煙率高し所かまわず、男は麗蘭土屋公平、女は土屋アンナ、みたいな方々でいっぱい、日本的ロックのパブリック・イメージで土屋を並べてみましたがドメスチック、ギターは土屋昌巳、こんな光景いつ以来だろう、おれが行ってないだけか、不景気とは、あちらこちらでザ・ギョーカイ、チラと見かけたパンタさんが目立たないほど、鮎川・シーナもいたに違いない、実に華やかでそれだけで感激しました。
 さて、加藤和彦ソロ・キャリアの中で最も見過ごされていたアルバム「マルタの鷹」がリマスタリング紙ジャケ再発です、マルティーズ・ファルコン。
 1987年といえば前年が「ピーター・ガブリエル/So」ですから世はファエライト。加藤和彦プレイズ・チェット・ベイカー・WITHフェアライトC.M.I.・ライク・チャンドラー&ハメット=ほぼ(清水靖晃、小原礼、高橋幸宏が参加)打ち込みによるモダーン・ジャズ・アルバム、が本作。しかしデジタル極致フェアライトで作り上げた極致アナログ感が加藤和彦の成せる技、快作です。
 さらに、A-1/B-1(M1、6)のカルロ・サヴィーナ、アレンジによる生オーケストラ録音パリ録音が華を添えます。C・サヴィーナは知る人ぞ知る、ニーノ・ロータの頭脳みたいな人です。
 本年1月、オノセイゲン氏がリマスタリングを施しての再発売、発売時を知る方もぜひ改めて聴いていただければ幸いです。
 本日2月5日、店頭入荷。ニック・デ・カロ遺作となった1991年同じく「ボレロ・カリフォルニア」と同時発売です。安井かずみ遺作でもあります。
 



Posted by kaneno at 10:01:33 │その他

前野健太/さみしいだけ

2009-01-20

10475.jpg  サイモンとガーファンクルの「アメリカ」で歌われるその情景は歌詞カード見ずとも回るレコードだけ見てれば中2の英語力でもよくわかった。ヒッチハイクでピッツバーグからグレイハンド乗ってミセスワグナーのパイ食って五大湖あたり月は低いアメリカ右上のあたり。
 それからずいぶん経って、「ソフテロ/七夕台風」。ここでは信州からの風を感じる名古屋、その方位感覚を初めて知った。中央西線で繋がっている。鶴舞駅で降りて古本屋数軒、それを感じた。  それからちょっと経って、「三輪二郎といまから山のぼり/休日の朝」。横浜の丘だが磯子・杉田の海すら見えない大船に近い方、昭和40年代の新興造成地、好きじゃないし行ってみたくもないが、清掃工場の煙突ごしに富士山が見える。
 こんなふうにいい風景が見えてくる歌が好きだが、今度出会ったのが「前野健太/鴨川」。深夜バスで来た京都のこと。けっしていい街の景色じゃない。歌っている本人がよく見えてくるからすごくいい。歌よりもあまりに短いイントロに全て凝縮されている。なんていいイントロだろう。
 この曲のPVクリップが出来た。監督・松江哲明、出演・長澤つぐみ。シンプルだが何度も観たくなる。画と歌、名曲がひとつ出来たと思います。



Posted by kaneno at 10:40:03 │その他

マイベスト!レコードからおしらせ

2008-12-18

■ルフラン
12/21(日)下北沢ガレージ  (03-5454-7277)
◆開場/開演 18:30/19:00
◆チケット 前売2300円/当日2800円(ともにドリンク別)
オレンジズ★Xmas★ショー2008にゲスト出演です。
G、B、Dsのエレキバンドスタイルでのコンサートです。
http://homepage3.nifty.com/rufran/concert.htm

■都市レコード
12/22(月)名古屋 58月(ゴヤムーン)
◆開場/開演  18:00/19:30
W:LETTER、GOFISH
◆チケット 前売り1500/当日2000(+1ドリンク)



Posted by kaneno at 14:52:24 │その他

山下洋輔トリオ/April Fool〜キャシアス・クレイの死ぬ日

2008-12-01

10228.jpg 山下洋輔トリオ/APRIL FOOL〜キャシアス・クレイの死ぬ日
 ロッキー青木氏が亡くなった7月、このオリジナルLPレコードを山下洋輔さんの事務所から借りた。紙ジャケットを作るためだ。初めて見る。裏に販売元がURCレコードとあり、¥2,000。制作元・話の特集社と同じ原宿セントラルアパートだからだろうか。96年貞練結社版CDライナーによれば、1,000枚プレスされ山下トリオ、話の特集に各100枚、残りはロッキー青木氏に渡ったがほとんど廃棄され、極僅かな枚数が流通された、とある。
 アリ・コールに始まり米国歌斉唱、それに重なるように山下トリオ「クレイ」が始まる。本作に「クレイ」は全3テイク、森山威男作モハメド・アリ/カシアス・クレイのテーマ。音、音楽でしかない、音、意図のない純粋な本当の演奏だ。ニューヨークはベニハナ・レストランでのアリ記者会見録音(ジョー・フレイジャーはチャンピオンじゃない、とはっきり聞き取れる)を挟み、アリがパンチング・ボールを叩きサンドバッグに移る、またパンチング・ボールを叩く、そこに森山のドラムが入り、ロールの後、山下が中村が加わる。カッコイイ、もう言葉は出ない。
 1972年4月1日武道館、アリ対フォスターのドキュメント録音に山下洋輔トリオの演奏で構成した、というのが本作。話の特集・矢崎泰久氏が編集した。しかしあまりに謎が多いレコードだ。インナー裏にある矢崎氏の文章が全てなのかもしれない。また、ジャケ表のコーヒーカップは、アリ宅での取材時に出されたコーヒーを撮影したもの。少し逸れるが96年版CDに映るアリの写真は國玉照雄氏。赤塚不二夫氏の傍にいた方で、確かその事務所で働いていたのが(赤塚)眞知子さんだ。
 本作全権プロデューサーは康芳夫氏。電話で数度やりとりをしただけだったが、おれは本当にうれしい。常人が見逃す細かい気配りをしてくれた。氏が創刊した澁澤龍彦編集の「血と薔薇」の最期を継いだのは平岡正明氏だったから本再再発CDのライナーノーツは平岡氏に寄稿いただいた。



Posted by kaneno at 12:15:39 │その他

都市レコード/シングアゲイン

2008-11-05

10063.jpg 洋邦問わずコンピが好きでよく買うが好きなコンピは特に邦はほとんどなくその中でおれコンピチャートインしたのがポエット・ポートレイツfrom八王子イタリアン勤務cobalt主宰で2タイトルもある(この10年不動の1位は「墨堤夜景」名作!)。コンピ上手はレーベル上手、モールス、二階堂和美、そしてcobalt自身。だから都市レコードはすぐ買った。00年「都市ブルーズ」。ずっと離れないメロディ、「笑いを」はずっといつもある。だから2作目以降買ってなく実は全ては知らない恐縮でしたが、本年初夏初めて彼らに会い、いい人だから発売を決め、昨年から録り貯めてあった新曲6曲のデモを受け取り、それはどれも良くて、もう、これは、すぐいきましょう、とメールしたもののお互い具体案はなく、ふと誰かと思って大分の三沢洋紀さんに電話したら「知らん」というから「やる?」って訊いたら「やる」って言うから、そのデモ6曲郵送したら「すごくいい」というので彼がサウンド・プロデュースをやることになったわけで前略おふくろ様、「5人組時代のオフコース、70年代後半チューリップでいきたい」と三沢、「『We are』の前、『フェアウェイ』な、な!」と決まった、お兄ちゃんはカミサマァ〜トッド・ラングレンたれ三沢洋紀スカイラーキン!しかし彼らより2週間返答はなく戸惑ったことでしょう、「オフコース/フェアウェイ」は今ナウ今こそナウ今誰も出来ないサウンドだからと、ともかく始まった。さらに録ってきた4曲、先の6曲含めいやもうこれで完成された音であって一瞬迷ったが、大分へ送り、知る人ぞ知る知らない人は知らない大分の異才アカシモモカらが加わり、さらに三沢はそれを大阪へ持ち込み、千住宗臣のドラムとパーカッションを加え、三沢シンセと千住ドラムで知らぬ間にインスト1曲作られ追加全11曲、エンジニア原浩一が仕上げ、8月15日家に届いた。速かった。出て来た音はキャラフォー!カラフルでした。アシッド感あり。でも何よりも、バンド・都市レコードこそが一番良かった、それがよくわかるレコードになったと思う。さておれはここからが仕事です。三沢×都市レコ=トッド×アンディ・パートリッジ対立の図を盛り込んだ妄想インタビュー記事を勝手に書いたろか、なんて。都市レコード新作「シングアゲイン」間もなく発売です。



Posted by kaneno at 10:14:05 │その他

都市レコード

2008-11-04

10054.jpg ティム・バックリーに「HAPPY MAD」なるブートがあってあんまり針下ろしてないけどずっと好きな大事なレコード、「HAPPY SAD」をキーに、ああもう10年前か8年前うたものブーム、仕事で「so far songs」キャンペーンってやったんですけど、今でも聴くのは「MAD」がキー、アシッド・フォークか、ちと違うで、都市レコード初作「都市ブルーズ」聴いたのは、(カーネーション)直枝政広ソロ初作「ホプキンス・クリーク」作ってた頃だから00年夏秋、この2枚内容全く違うけぇしかしおれ中ではピッタリくっついてる、レコードもCDも買った順番に好きなCDはキャラメル包装まで大事にしまってるからどっちか抜くと一緒に出てきちゃうからだけではない、気分さソー・ファー・ソング!今憶い出したが当キャンペーンで一番好きなCDは「lakeside/song」でした。lakesideはインストバンド、これは彼らの曲に歌を入れてカバーする“リミックス”アルバムですが、直枝政広さんは堂々と原曲無視、自分の新曲を提供してます。さらにラブクライは歌を入れずインストナンバーでした。本題ずれましたが、それから8年そんなラブクライ(〜LETTER)三沢洋紀をサウンド・プロデューサーに迎え、都市レコード新作の制作が始まりました夏08年暑かった(っけ?)、長くなりました以下次号。都市レコード新作「シングアゲイン」間もなく発売です。



Posted by kaneno at 09:50:38 │その他

筒井康隆文明

2008-09-29

9921.jpg (1)1957年 SF同人誌「宇宙塵」
(2)1969年 山下洋輔トリオ「ミナのセカンドテーマ」
(3)1974年 筒井康隆「熊の木本線」
(4)1976年 全日本冷し中華愛好会
(5)1978年 筒井康隆「バブリング創世記」
 本作再発に向け各方許諾確認作業の中、ビクター担当氏より電話あり、本制作に深く関わった方が亡くなられた旨。野田昌宏(SF作家・翻訳家にして、その風貌からガチャピンのモデルとなったことはつとに知られた)氏のこと、[1]「小松左京・宇宙に逝く」、[2]「筒井康隆文明」、[3]「(星新一)星寄席」、以上3枚のLPが1978年、「AMAZING3」と題しビクターより発売、いずれも制作協力・日本テレワーク野田昌宏とクレジットされている。
 氏は(1)に創設時から参加している。その同人には若き長谷邦夫氏が。(2)制作時に山下洋輔氏はフジオプロ長谷氏を訪れ、その内ジャケに、聞くべし!と赤塚不二夫氏が「ベシ」を描く。

 世界の創造を描いた短篇(5)に、世界の終焉を告げる作品(3)を、山下洋輔が挿入したのが『筒井康隆文明』M1「バブリング創世記」だ。(3)から「熊の木節」が、小山彰太-山下洋輔-堀晃-かんべむさし-坂田明の順番で、この世紀のタブーが唄われるのだ。坂田明がUFOを降霊し、「ユッフォー」とだけ参加したピンクレディーは同レコード会社だから実現したのだろうか。この頃からPLは失速する。本作発売は1978年10月神無月のこと、翌4月(4)も解散する。
 つい先日、赤塚不二夫トリビュート盤CDを買いに行って、その何だかなぁの人選見て手を引っ込めた。30年前の大人たちの遊びは凄いと、改めて思った次第です。「筒井康隆文明」、初CD化、発売中です。




Posted by kaneno at 11:54:49 │その他

イエス,ママ・オーケー?/インコンプリート・クエスチョン(後日談)

2008-09-04

9801.jpg *1)「ラジオスターの悲劇」は2NDミニアルバムなんだな。1STではスライ・ストーンのカバー。イエママのはポール・ヘイグのカバーに近い。考えすぎか。
*2)わざとタワレコさんに触れず。タワーがグッと来て独走に入ったのは98,9年から。WAVE、新星堂、山野、タハラ、どこも売場を創造し変えていったのはいつも一人の担当者だ。
*3)当日、金剛地さんは大遅刻した。後日新宿店に郵送された手書きの詫び状が封筒ごと(exヴァージン)高位氏宅に保管されており、ブックレットに載せるつもりだったが、叶わなかった。
*4)「イエママのライブが(ひどくて)いい」と言っていた豊田道倫さんと金剛地さんの付き合いはどこから始まったのだろう。今回本BOXのボーナスディスクに当時のライブ音源あれば、と提言いただき、実は用意したが、叶わなかった。ライブは拙い、ひどい、との定説だが、後期は優れて音楽的、とは金剛地氏談。
*5)当初、ベスト・アルバムにすべきかと考えたが却下。インディー盤との細かいヴァージョン違いを収録とも考えたが却下。本BOXは、全て日本コロムビア所有マスター使用、何も考えず全曲発売順に並べただけの寄せ集め、となった。これでいいと思います。
さらに)金剛地さん始めメンバー3人の書下ろし原稿もブックレットに収めました。



Posted by kaneno at 10:06:49 │その他

イエス,ママ・オーケー?/インコンプリート・クエスチョン(2)

2008-09-04

9800.jpg  イエママがメジャーから出ることになって、京都店のテンションは明らかに落ちていた。ピチカートVのディレクターが手掛けるという。だからやる気になったわけじゃない。営業に来ていただいた人は、イエローモンキーと混同していた。何だかなあ、とそこで初めておれは聴き、少しやる気になって、インストアライブ(*3)をやった。初めて好きになったのは、荒れてる(*4)、と感じた「パーフェクト・ヤング・レディ」、本気で好きになったのは、モア荒らぶれメタ・コンセプチュアル作「Q&A65000」。どちらもあんまり売れなかった。「Q&A65000」は、ロックとか音楽とかのアルバムじゃなくて、もっとPOPのポップアート全部の、それを構築しようとコンセプトとするのでもなく、しかし優れてトータルなもの。もちろんこれは“A”じゃなく、そう“A”はずっとなくていい、そんなアルバムでバンドだ。そしてようやく金剛地さんより「Incomplete Questions タイトルはこれでいきます」とメールあり、いやあ(*5)。



Posted by kaneno at 10:04:26 │その他

 
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