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日本電子音楽の至宝 『音の始原を求めて4』 が遂に再発!!

2006-08-15


V.A. / 音の始源を求めて4 - 佐藤茂の仕事 PART 3
(3,150円(税込) / サウンド3 / JPN / CD / EXP352)

2006年春頃にリリースされるも、諸事情により回収され店頭から1日で姿を消していた為、ファンの間では幻とされていた日本の電子音楽アーカイヴ・シリーズ 『音の始源を求めて4 - 佐藤茂の仕事 PART 3』 が、遂に再リリースされることになりました。NHK電子音楽スタジオで技術的な立場から作曲家をサポートした塩谷宏、佐藤茂らの視点から日本電子音楽の歴史を紐解いた重要なシリーズだっただけに、回収事件はファンを落胆させたものですが、曲の一部差し替えをおこない再リリースされたことは誠に喜ばしい限りです。今回は、前作、前々作同様、佐藤茂氏の仕事を紹介したものとなっており、1970年の大阪万博を経て円熟期を迎えた日本電子音楽の貴重な音源を多数収録したファン感涙の内容となっています。

<< 収録曲 >>

1. デヴェルティメント / 三保敬太郎
2. 東京1969 / 一柳慧
3. トランジェット / 三善晃
4. 閏月棹歌 / 柴田南雄
5. 月蝕 (と思われる) / MICHAEL RANTA (マイケル・ランタ)
6. パノラミックソノール / 武田明倫

今回差し替えで収録されたマイケル・ランタは、70年代に 小杉武久、一柳慧らと共にインプロヴィゼーション・グループを結成しており、名盤と誉れ高い “IMPROVISATION 1975” を録音しているパーカッション奏者です。『日本の電子音楽』 (川崎弘二:著) の佐藤茂へのインタヴューによると、ランタが佐藤茂と制作している曲に 「月蝕」 という作品があり、打楽器演奏に電子変調をおこなうことで太極拳の動きを表現した作品であると書かれています。収録曲は不明ながら、この曲辺りではないかと思われます (詳細が分かり次第お知らせいたします)。

今作には、一柳慧の代表曲 「東京1969」 が収録されています。この作品は、二度目の渡米から帰国した一柳慧が、落語や歌謡曲、ロック、コンピューターを音源に使って制作したコラージュ作品に電子変調を加えた突拍子もないストレンジなテープ作品で、電子音楽ファンに人気の作品です。柴田南雄の 「閏月棹歌」 は、3枚の図形楽譜組み合わせたスコアを胡弓と三絃で演奏、それにテープ・パートを加えた作品で、部分的に電子変調を施すことで東洋的な響きにの中に異質な音色を刷り込ませた傑作電子音楽。グリッサンドのうねりは迫力満点です。当時、研究が進められたコンピューターによる音響合成で音を作成し、編集作業にはそれまでのテープ加工を用いた武田明倫の 「パノラミックソノール」 の荒涼とした音響は、米国コンピューター・ミュージックの先駆者である JAMES TENNEY (ジェイムス・テニー) の作品にも似た張り詰めた空間を思い出させます。NHK電子音楽スタジオでは、岸田今日子を主演に起用した 『音楽詩劇 オンディーヌ』 を制作している三善晃の 「トランジェット」 は、効果音的に電子音を使用した起伏のあるヴァーレズ的打楽器作品。作曲家の他にも、レーシング・ドライバーやジャズ・ピアニストといった多彩な顔を持つ (11PMのテーマも手掛けている) 三保敬太郎の電子音楽作品も収録。洒落たイメージの三保敬太郎による、セリー風シリアス電子音楽は驚きである。

毎度のことながら、資料性バツグンの詳細なブックレットに期待が高まります!!

Posted by Peso at 21:56:11 | Here We Are SHINSEKAI !!! TOP | 前の記事次の記事
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